プラザ・アテネの2時間

マルセイユに画廊を持つ知人に、京都の画廊の女性オーナーを引き合わせることになって、場所は彼女が泊まっているホテルのロビーになった。
「ではプラザ・アテネで夕方の6時に」
「!?」

プラザ・アテネは、パリに5つあるパラスと呼ばれる超高級ホテルのひとつ。普通のツインで750ユーロから。スイートは1200ユーロから20000ユーロだ。

paris-august2-081.jpg

ロビー。トイレを見るのを忘れた。

plaza-athenee.jpg

日仏の画廊オーナーのやり取りも面白かったけど、プラザ・アテネに出入りするお客を眺めるのは更に面白かった。
アメリカ人、アラブ人が多い。
毎週、スパやエステに通い、過酷なダイエットをしている、という雰囲気のほっそりした人が多い。
ミッシェル・オバマによく似た黒人のマダムは常連らしく、フロントのスタッフたちが親しげに声をかけている。
ジーンズにダウンというラフなスタイルもあれば(でもダウンの襟にミンクがついてたりする)、毛皮のコートも通る。
Dior やGUCCIの買い物袋を両手に計6個下げた男性が帰ってくる。
バッグは圧倒的にエルメスのケリーが多く、黒、キャメル、グレイ、エルメス独特のきれいなブルー・・・2時間の間にこれだけエルメスを見たのは初めてだ。
7時を過ぎると、オペラか夜会にお出かけのロングドレスに毛皮のコートのマダムも通り過ぎる。

初老の紳士が女性と手を組んでホテルに入ってきた。女性の顔は見えないが、小柄で痩せていて、黒いミニのコート、ガーターベルトがモチーフになったストッキングをはいている。
20代の愛人ね・・・と思って見ていたら、ミニの女性が振り向いた。私はギャッと叫びそうになった。
しっかりメイクされているが65歳は過ぎている顔だった。
すごく若いスタイルとこの顔の組み合わせは、もう怪談の世界。

2時間の間にこのテの怪談カップルが2組通り過ぎた。
年相応って大事なことなのね。相手の男性はどう思っているんだろう?

ミーティングが終わってマルセイユの知人と一緒にモンテーニュ通りを歩いた。
「彼女はあそこに泊まっているんだろうか?」
「IBIS(シティホテルのチェーン)に泊まって、プラザ・アテネで待ち合わせするってこと?そういうことする人には見えないけど」
「私がパリに仕事でくると、クライアントに印象づけるためにホテル・リュテシアで打ち合わせするんだ。スタッフに友達がいて鍵を貸してくれるんで、それをテーブルの上に置いておく・・・」
「ひえー芸が細かいのね!」

モンテーニュ通りは一番贅沢なブランドがぎっしり詰まった場所。法外な付加価値のついた値段に腹が立つものの、美しいウィンドウは夢を見させてくれる。
通りが終わってメトロにつくと、私たちは魔法が切れたシンデレラの気分になった。
彼は娘さんに会いに15区へ、私はお腹を空かせた家族と2匹の猫が待つバスティーユへとメトロに乗った。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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