恋ではなくて欲望

パレ・ロワイヤルのギャラリーにある有名な靴屋さんで2足のパンプスを買ったマルグリット。
いそいそとブティックを出てくるなり、ローラーブレードで疾走してきた男の子にバッグをひったくられる。
盗んだ男の子は現金だけ引き抜いてお財布を駐車場に捨てる。

駐車場で車に乗ろうとしたジョルジュは、赤いお財布が落ちているのを見つける。中には身分証明書、飛行機のパイロット免許書もある。
そこに貼ってあるマルグリットの写真をしばし見つめるジョルジュ。
電話して「お財布を拾いました」といえばいいことなのに、彼はそれができない。心がざわめくのだ。

アラン・レネの最新作『Les Herbes Folles』(気狂い草)はこんな風に始まる。

herbesfolles_affiche.jpg

レネがカンヌで今までの作品全体に与えられる特別賞を取り、アンドレ・デュソリエとサビーヌ・アザマの人気カップルが演じているので、前評判の高かった作品。
マチュー・アマルリックやエマニュエル・デュヴォスなど脇役も素敵なので、期待して観にいった。

映画界で有名なおしどり夫婦。デュソリエとアゼマ。
herbesfolles1.jpg

とぼけてるんだか、イッテるんだかわからない警官。マチュー・アマルリックの得意な役どころ。
herbesfolles_MA.jpg

マルグリットがお財布を拾ってもらったお礼の電話をかけてくると、
「それだけですか?・・・会いませんか?」とジョルジュ。「別にその必要はないと思いますけど・・・」と言われてストーカーになっちゃうとこなど、思春期の男の子のような言動はなかなか興味深い。
相手に関心を持つのは恋の始まりに似ている、と思うけど、これは欲望を描いた物語なんだそう。

オヴニーの批評に、常軌を逸したことがしたい欲望に火をつけた相手(マルグリット)に欲望を感じる、というようなことが書いてあり「ヒエー、すごい洞察」と感心したものの、観客はそこまで深く読むかな。
テンポがのろくて、自己自賛の感じが鼻につく。

バスティーユの映画館は補助椅子まで出る満員で、アラン・レネファンの50代、60代の人も沢山いたけど、みんな感情移入できなくて、シラーという雰囲気が漂った。

観た方がいたら、ご意見を聞きたいものです。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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