“神の館”に入院する

Hotel Dieu、オテル・デュー。
訳せば神の館。神は人を救い癒すので、転じて病院。
なるほど。美しい名称ではないか。
シテ島にあるこのオテル・デュー病院に友達が入院しているのでお見舞いに行った。

中世の僧院を思わせる古い建物は、651年に当時のパリ司教によって建てられたパリで一番古い病院。
ルネッサンス期までパリ唯一の病院だったそう。
ノートルダム寺院のはす向かいという観光地のど真ん中にありながら、中はひっそりとして人も少なく、ますます中世を舞台にした映画のようだ。

中央に大きな中庭があり、左右に回廊がある。中庭の奥に、突然ウルトラマンのような銅像が立っている。
何アレ?古い色合いの風景をシュールにしている。

cour1.jpg

人っ子ひとりいない回廊。長いスカートのシスターなんかが似合いそうだ。

couloir.jpg

花壇もある。
cour2.jpg


呼吸器系の手術をした友達は、「モルヒネのせいでずっと吐き気してマイッタ」という。
痛み止めにモルヒネの点滴、は日本でもするだろうが、ここでは患者さんが点滴のスイッチを持たされている。スイッチを押すとモルヒネが注入される仕組みだ。
「つまり打ち放題ってこと?」
「まぁね」
「痛みと吐き気とどっちが我慢できないの?」
「うーん、難しいところだね。一日何も喉を通らないってのも辛い」
「じゃ、スイッチ押すの減らしたら?」
サガンは、自動車事故にあって入院したとき薬中になったというじゃない。

「でも食欲があっても食事は不味いよ」と隣のベッドのオジサン。
このだだっ広い病院には調理場がなく、食事は14区にあるHopital Cochin、コッシャン病院から運ばれてくるそう。
「昨日なんて、インゲンとジャガイモだけで肉がなかった」
つまり付け合せだけが運ばれてきたってこと。コッシャンの患者さんが主菜を全部食べちゃったんだろうか。フランス人ならやりかねない。

友達がミネラルウォーター買ってきて、というので地下の売店に行ったらもう閉まっていた。
外に出ると、お土産物屋しかない観光地。クレープを売っているカフェを見つけて小さなミネラルウォーターを1本買うと「ハイ、2ユーロ60」
「はっ?」耳を疑った。
スーパーでは6本パックで2ユーロ20くらいだ。アナタ、6倍以上で売ってるわけ?

パリで一番高い水を持って病室に帰りながら、健康が一番大事、と思った。
早く良くなってまた一緒にご飯を食べようよ。

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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


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