クリスマスの前日、パン屋で私の前に並んでいた孫連れのおじいさん、ケーキの隣に積み重ねられている、ギャレット・デ・ロワ(王様のギャレット)を見て眉を吊り上げ、「ナンポルト・クワ!(滅茶苦茶じゃ)」と言っていた。

ギャレット・デ・ロワは1月6日のエピファニー(公現祭)に食べるお菓子。
エピファニーは、キリストの誕生を知った東方の3博士が、星に導かれてベツレヘムにやってきたことを祝う日だ。
パイ生地の中にフランジパン(アーモンド入りカスタードクリーム)を入れた丸いギャレットは、中にフェーヴと呼ばれる陶製のお人形やオブジェがはいっている。
これを人数分に切り分け、一番若い人(ふつうは子供)が、テーブルの下に入って「最初の一切れはピエール、次はパパに・・・」と割り当てを決める。フェーヴが当たった人が王様で、ギャレットについてくる紙の王冠をかぶる。

Feve-en-or-dans-la-galette-et-le-boudin.jpg

ギャレットそのものより、それを食べるときの“儀式”が楽しみで、1月になると必ず買ってしまう。
それをクリスマスから売り出すとは!キリストの誕生と、それを知って、遠くから(徒歩で!)お祝いにきた3博士のお祭りを一緒にしちゃいかん・・・おじいさんの「ナンポルト・クワ」の理由だ。

“早くから売り始めても売れるから売る”パン屋の言い分はわからないではないが、私が腹立たしく思うのは、その値段。
原価はすごく安いはずなのに、堂々と4人用20ユーロくらいで売っている。ぼろ儲け商品だ。その結果、
「信号で止まったら、横に赤いポルシェがいて、乗ってるやつの顔に見覚えがある。テレビタレント?俳優?・・・と考えたけど思い浮かばない。しばらくしてピンときた、うちの近くのパン屋の主人だったんだ!」ということになる。

フェーヴはソラマメの意味、もともとは陶製のソラマメが入っていたけど、それじゃつまらないので、陶製のお人形になった。
東方の3博士や、ヨゼフやマリアなどエピファニー起源のキャラから始まって、動物やオブジェ。当然コレクターが現れ、そんならシリーズ物にしたほうが売れるだろう、とディズニーや漫画、童話のキャラ、スポーツやアートシリーズも登場。2000個とか集めている人がいるそうだ。食べるのが大変だろう。

feves.jpg

靴屋さんシリーズ。こんなフェーヴのはいったギャレットはどこで見つかるんだろう?
magasin-chaussures-feves-2008.jpg

コーヒーミルシリーズ。
moulins-cafe-feves-2008.jpg

今年の新シリーズのひとつは、なんとカーマ・スートラ。ちょっとギャレットって、大人のお菓子だった?!
前出のおじいさんが聞いたら、心臓マヒを起こすんじゃないだろうか・・・


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コメント
はじめまして
いつも楽しく読ませて頂いております。

お隣ベルギー在住ですが、さすがにクリスマス前には売られていなかったと思います。
でも、こんなにいろんな形があるならちょっと集めてみたくなりました。(笑)

いつも為になる情報、リンクさせていただいてもよろしいでしょうか。
これからも楽しみにしています。
Re: はじめまして
JJ様、
ありがとうございます。ブログ(サイト?)のURLを教えていただけますか。ブリュッセルには友達もいるので、是非拝見したいです。
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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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