オードレイ・トトゥが演じるのが『シャネル以前のココ』なら、これは『シャネル以後のココ』の物語。

1913年、シャネルはイーゴリ・ストラヴィンスキーの『春の祭典』の初演を観にシャンゼリゼ劇場に赴く。前衛的な曲と振り付けに、観客はざわめき、椅子を蹴立てて帰る人が続出。しかしシャネルは魅了される。

7年後、押しも押されぬ有名クチュリエとなったシャネルと、ロシアから亡命してきたストラヴィンスキーが出会う。電流が走るような出会い。
恋人ボーイ・カペルの死に打ちひしがれていたシャネルは、ストラヴィンスキーに田舎の家に来て暮らすように薦める。妻と子供4人を連れてやってきた音楽家とシャネルの間に情熱がはじける。

シャネルを演じるのはCHANELのモデルでもあるアナ・ムグラリス。あまり好きな女優ではなかったけど、アンバランスな美貌と、冷たい印象が意外とはまっている。
ひっきりなしにタバコを吸うシャネル。アナ・ムグラリスもヘビー・スモーカーで有名だ。
coco5.jpg

イゴーリは『007カジノ・ロワイヤル』で悪役をやったデンマーク人、マッド・ミッケルセン。批評では「ダイコン!」と叩かれていたけど、音楽一筋で感情表現が不器用なところに逆にセクシーさがあった。

igor.jpg

イニシアティヴをとるのは必ずシャネル。仕事第一でブティックの従業員にもきつい普段の顔、ストラヴィンスキーが作曲する部屋に突然やってきて、熱烈に愛を交わすコントラストは、氷山と火山のようだ。

cocoigor.jpg

それにしても2人とも、相手のことを考えてぼーっとして仕事が手につかなくなる、なんてことはなく、情熱を糧にして香水(シャネルの5番)や曲を生み出し、奥さんの苦しみなんて無視しているところが、成功する人は違う!と思わせる。

シャネルの田舎の家の内装も、アナ・ムグラリスがとっかえひっかえ着るカール・ラガフェルドがデザインした服も、全編通してアール・デコのタブローのよう。それだけに奥行きに欠ける印象はあるけど。

監督はバンドデシネの映画化『ブルーベリー』や『99フラン』のジャン・クーネン。私はどっちも観ていないけど、有名クチュリエの映画を撮りそうもない監督らしく意外性が話題になった。

今なお新鮮で美しいアール・デコのモードを見るだけでも価値のある映画。公開中。


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
↑ランキングに参加しています。よろしくお願いします

スポンサーサイト
コメント
素晴らしいブログを読ませていただきありがとうございます。
これからも更新頑張ってください。
コメントの投稿
プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最近の記事
カテゴリー
おすすめ書籍
RSSフィード
おすすめコスメ
フランスに行くなら
プロヴァンスの田舎町をまわる1日
アーカイブ