お奨めしないレストラン

パサージュ・デ・パノラマにあるベトナムレストランでお昼を食べようと友人と出かけたら、満員であった。
寒いしお腹は空いてるし、パッサージュ内にゴチャゴチャとあるレストランのどこかで食べよう、と探して、久しく食べてないからインド料理にしようか、と立ち止まったら、すかさず扉が開いてインド青年がこやかに招いている。
コートを脱いで座るか座らないうちに、オレンジ色のカクテル・メゾンと突き出しらしきものが運ばれてきた。
「オハヨゴザイマス。オネガイシマス」あまりに感じがいいので、「今の時間は“コンニチワ”だ」というのも忘れてニッコリ。

メニューを開くと、プラ・ド・ジュール(今日の料理)が鶏のカレー、魚のカレー、タンドリー・チキン。それがメニューに印刷されている(つまり毎日同じもの)というのが不安要素であるが、友人は鶏のカレー、私はタンドリーにする。
突き出しは、クミンシード入りのナンをぱりぱりに焼いたのと(美味しい!)ヨーグルトのディップ、チャツネ、野菜のピクルスに香辛料をまぶしたもの。

amuse.jpg

それをお皿にとって食していると、インド青年が新しいお皿を持って現れ、「オネガイシマス」。
食べている最中のお皿の上に、ためらいもなく別のお皿を重ね去っていった。唖然。
これはもう突き出しを食うな、ということと察して、辺りを見回すと、テーブルは半分くらい埋まっていて、主人らしいインド人が、2人の若いウエーターを絶えず叱り飛ばしている。
「あそこのお客、ずっと待ってるじゃないか、早くしろ!こんなことならオレひとりでやったほうがマシだ!」

間もなく、別のインド青年が新しいお皿を抱えてやってきて、先ほどの第二の皿を取り払うと、ピクルスが無残につぶされた第一の皿の上に第三の皿を置いて立ち去った。主人が叱り飛ばす理由がわかってきた。

間もなく、山のようなご飯にカレーとチキンが盛られた、すなわち第四の皿が現れた。ボナペティ!
一口カレーを食べて、友人と顔を見合わせる。
「全然辛くない」
「というより甘くない?」

カレーソースにミックスベジタブルみたいなのが入っている。

poulet.jpg

自分でインドカレーを作る友人は、突き出しのチャツネや辛ピクルスを混ぜて味にメリハリをつけようとしたが・・・

curry.jpg

マズイというわけでもないので黙って食べる。途中、2度ほどウエーターが「コトは順調に運んでいるか?」と聞きに来る。
最後には熱いおしぼりまで出てきて、サービスはすごくいいのだ。

主人が通りかかったとき、「どうしてここまで辛くしないのか?」と尋ねたら、フランス人向きの味付けにしているからだと。
「それにこの気候で辛くしたら、大変なことになる」
つまり、インドで超辛いものを食べるのは、体温を下げるためで、寒いパリで同じ味付けにしたら危険だという意見だ。
「でも程度問題で・・・」と食い下がったら、「じゃ、次に来たときはもっと辛くしてあげるから!」
“次”があるかどうか疑問だけど、感じの良さと変な可笑しさを大いに楽しんだ私たちであった。

念のため住所を。プラ・ド・ジュールは11ユーロ。
NEW KASHMIR
23 Passage des Panorama 75002


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コメント
「つきだし」
その「つきだし」の3種類の小皿は料理の調味用で、そのまま食べるものではないのでは・・・。
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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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