初体験・・・ヘリで運ばれる

部分麻酔が効いてきて、お医者が脚を“元の場所に”戻そうとする。
強烈な痛さ!私はすごい叫び声を上げた。雪崩が起こったかも。
その時、理解した。10の痛さってこれだったのね。

また「アン・ドゥ・トロワ!」が聞こえて、私はふわりと持ち上げられる。無重力状態のように身体が軽くなり、人の声が遠くなる。現実感が薄れ、SF映画の中にいるみたい。
初めてヘリコプターに乗るのに寝かされているから、見えるのは天井のネオンだけだ。そこから病院の麻酔室に着くまで、夢か現実かわからない。

ヘリに乗っていたのは10分くらいだ。ブリアンソンの病院に着く。
天井のネオンの色が変わり、色んな人が私を覗き込み「サヴァ マダム?」と尋ねる。サヴァじゃないからここにいるんだけど。
エレベーターを乗り換え、救急ブロックにたどり着いた。
スキーズボンを脱がされ、脚を固定するため包帯を巻かれるとき、あまりの痛さにまた叫ぶ。

「一番辛い部分は終わりましたよ」そう願いたい。
「マダム、あなたは勇敢でした」どんな状況でも褒めらると嬉しい。

レントゲンを見せられた。
femur.jpg

ほほー見事に真っ二つに折れている。
日本語の“大腿骨骨折”は、大骨折みたいで余計「大変なことになっちゃった」という気になる。
骨が早くくっつくよう、釘を入れてネジで止める手術をするそうだ。なんだか日曜大工の説明を聞いているみたい。

気持ち悪い図解でごめんなさい。でもこういうことらしい。

femur-nailing.jpg

娘がそばにきた。
「ごめんね」
「ママンのせいじゃないよ」
「ヘリに一緒に乗れてよかったね」
「うん、すごかった。『グレイス・アナトミー』みたい」
「私は『アバター』かと思った」

彼女の運命が気がかりだ。ひとりでアパルトマンに帰せないし、ひとりでホテルに泊まるのも小さすぎる。
救助隊の人が「僕の妻は児童福祉をやっているんで預かってもいい、といってくれたけど・・・考えるうちに廊下で電話していた娘が戻ってきた。夫が電車で夜中の12時に着くという。ひと安心だ。

それから麻酔室に連れていかれた。時計やアクセサリーをはずすように言われ、娘に預ける。「ポケットに入れないで、自分でつけてて」と言うと、嬉しそうにピアスや指輪をつけ始めた。
手術の間、テレビのある部屋で娘を待たせてくれるという。
「DVDなかったかしら?麻酔のDVDはいくつかあるんだけど・・・興味ないわよね」
「あんまりないと思う・・・それからあの子、ずっと何も食べてないんで、何かあったらお願いします」

看護婦さんは『LOL』(娘の大好きな映画!)のDVDとリンゴと病人食の残りをを持って、娘を別室に連れて行ってくれた。
親切がとても有難かった。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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