病院のご飯は不味いか?

家族が入院したパリの病院の例でいうと、サン・タントワーヌ病院はまあまあで、オテル・デューは「こんなに不味くするのも大変だろう」というくらい不味かった。毎日のようにご飯を運んだものだ。
リッチな人や芸能人の多いアメリカン・ホスピタルは、蓋つき銀食器に入れた食事を給仕係がワゴンで運んできて、ジャーン!と蓋を開けるという話だが、味はソコソコらしい。

さてブリアンソンの病院は、“美味しい”というと言い過ぎだけど決して不味くなかったのだ。
ある日のメニュー
朝:パンとコーヒー(毎日同じ)
昼:ビーツのサラダ、牛タンの煮込み、マッシュポテト、
夜:ポタージュ、サルシフィス(西洋ごぼう)の炒め煮、小さなチーズクレープ
夜は必ずポタージュがつく。何種類も野菜を入れて作った優しい味。
またある日は、
昼:鶏のクスクス、グリーンサラダ
夜:ポタージュ、挽肉ステーキ、パスタ
鶏の腿肉は好きな素材だけど、自分のレントゲンを思い出して食欲をなくした。
挽肉ステーキ、Steak Hachéは牛挽肉を焼いただけの、手間もお金もあまりかからない定番料理。レアで食べる人が多い。
病院のは焼きすぎて、硬くなって味もなかったけど、他に食べるものもなかったので食べた。
遠慮なく不味かったと言えるのはこのステーク・アッシェ(2回登場)とグリーンサラダ。2日前に洗ったの?と言いたくなるバリバリに乾燥したサラダ菜。食べたけどね。

イタリアのマダムが退院したあと、スノーボードで手首を折った20歳の女性が運ばれてきた。
生まれて初めてスノーボードに挑戦し、初日で怪我。私のように釘で固定する手術をしたけど、手首の場合は24時間で退院できる。私も手首にすればよかった。

大きな目の綺麗な子で、心なしか看護夫の出入りが頻繁だ。

彼女は親元を離れてグルノーブルでひとり暮らしをしている。
「うるさい親から離れて快適?」と聞いたら、
「そうでもない。ご飯作るのがめんどくさくて、パスタ茹でてトマトソースの缶詰ぶっかけたのばかり食べてる」

翌日、ちょうど夕食が運ばれたとき、ボーイフレンドが迎えに来た。
「わっすげえ旨そう!」
「一口食べる?」
「めちゃ旨い!おまえ、昨日からこんなモン食ってんの?ラッキー!」
世の中、すべて比較級である。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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