おうちに帰りたい!

入院している間に、日が少しずつ長くなっているのに気づく。
「春の気配がする」「もう春だわね」
看護婦さんたちが異口同音に言う。
私にはどう見たって冬景色なんだけど、地元の人は敏感に違いを感じ取るようだ。

briancon3.gif


私をどうやってパリに送り返すか、を病院と保険会社が相談している(そろそろおうちに帰してよ!)
電車は乗り換えがあり、地方の駅にはエレベーターがないので無理だ。
病院は「救急車でパリまで運ぶのがいい」と言っているが、止まらずに飛ばして7時間なので、途中で休んでいたら何時間かかることやら。
「でも飛行機だと、一番近いリヨンの空港まで4時間かかって、シャルル・ドゴールに着いた後も車だから結局同じくらいかかるわよ」と看護婦さん。
イタリアのトリノが一番近いんじゃないの?冬季オリンピックもあった町だから空港くらいあるはずだ・・・私が考えつくくらいのことは保険会社もとうに検討していたらしく、トリノの空港まで救急車→飛行機→救急車というコースになった。

「10時半の便だから、2時間前に着くとして・・・7時出発ね。5時半に起こしますから」
「ご、5時半?!荷物は前の晩にまとめるし、着替えるだけなのに!」
「あなた、トイレに往復するのに10分かかってるのよ」
と、言われれば黙るしかない。

1週間の間、看護婦(夫)さんたちとは色々な話をした。空気が綺麗、生活費が安いなど田舎町のメリット。地元の人たちは雪のある間リフト乗り放題のシーズン・パスがあるんだって。土曜日の午後、ちょっとひと滑り、なんて羨ましい。
「でも子供が大きくなったら田舎すぎて退屈するかも」
「パリは遊びに行くのはいいけど、住めないわね。ストレスの多すぎる」

看護婦(夫)になるのはバカロレア+看護学校3年で、Aide Soignantと呼ばれる看護助手はバカロレア程度の知識+1年ということも知った。看護助手も初歩的な医療行為はできることになっているけど、この病院では食事、シーツの取替え、シャワーの世話がその役目だ。

最近、不景気のために、他の仕事から看護婦に転向する人が出てきたそうだ。看護婦数が不足しているし、公務員になれば仕事にあぶれない、という見込みからだ。
「研修生です」と言われて顔を見たら40過ぎのオバサンだったのはそのせいなのね。

彼らには本当に細やかに親切にしてもらった。
「ありがとう、誰もお見舞いに来なくても、あなたたちのお陰で落ち込まずにすんだ」
「葉書をちょうだい」
「近くまできたら会いに来て!」

退院の前の晩遅く、友達の家に泊まりにいっている娘からSMS:
なかなか眠れない。ママンに会いたいよ。

私だって早く会いたいよ。だから5時半起き!


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
↑ランキングに参加しています。よろしくお願いします



スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最近の記事
カテゴリー
おすすめ書籍
RSSフィード
おすすめコスメ
フランスに行くなら
プロヴァンスの田舎町をまわる1日
アーカイブ