シュールなフランスの行政機関

週末に娘と2人でロンドン旅行をした友人の話。
北駅のユーロスターの税関で身分証明書を見せたら、
「その女の子は誰ですか?」
「娘ですけど・・・」
「親子関係を証明するものはありますか?」
友人は結婚していないので、娘さんは父親の姓を名乗っている。つまり母と娘で姓が違う。
「イギリス領事館に電話したら、身分証明書だけでいいと言われたんで」
「ここはフランスの税関でフランスの法律が適応されるんです」と税関員。
税関が“恐れて”いるのは、
1. 誘拐
2. 子供の親権を争っていて、母親が娘をどこかに連れ去ろうとしている。
の2つだ。
友人は帰りのユーロスターのチケットを見せ、
「ほら、あさって帰ってくるんだから誘拐じゃありません。疑うんだったら娘の父親に電話してみてください。第一、よく見てください、私たち似てるでしょ?」
税関員は「私に当たってラッキーでしたよ。今回は目をつぶりますから次回から家族手帳を持って旅行するように」

同じような目に私も遭った。スキー場で怪我をして手術した夜、夫が娘を迎えにパリから駆けつけた。
麻酔でウトウトしていたら、深夜たたき起こされ、
「マダム、お嬢さんがこの男性と一緒に行くのを許可しますか?」
「あったりまえでしょ、“この男性”は夫で娘の父親です、許可します」というと、
「びっくりされるでしょうが、決まりなもんで」
税関員と同じ理由からだ。

健康保険の窓口はさらにシュールであった。
私の健康保険のカードCarte Vitaleは子供2人の名前が併記されている。つまり私のカードを通して払い戻しされるようになっている。それがある日突然消えた。
情報処理上のミスだろうけど、子供をお医者に連れていったとき困るので、健康保険のオフィスに行った。説明して子供の名前を再生して欲しいというと、窓口のおばさんが、ニタリと笑うのだ。やな予感。
「子供さんの父親が、自分のカードに移したんじゃないですか?」
「いいえ、お医者には私が連れていくことが多いので、私のカードに併記しているんですけど・・・」と言いつつ、この女が何を考えているかわかった:私たちが離婚訴訟中で、父親が子供の名前を移した、それを私は知らされていない・・・
この窓口女は最後まで「父親に聞いてごらんなさい」だった。

税関員や病院が、用心のため確認するのは当然だけど、こういう思い込みは実に腹が立つ。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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