暇なのは美徳?

日本語教授法の研修で、実際のクラスを見学した。
先週、見学したクラスは男性4人、女性1人、今回は男性6人のクラス(女性は2人いるけど欠席!)。
日本語を習いたい人は男性のほうが多いってこと?フランス語を習う日本人は圧倒的に女性が多いが、日本語がその逆だったら面白い。調べてみよう。

このクラスの6人の男性は30代1人、50代1人、あとは20代。20代のうち2人はオタクっぽい。
今年の一月に「あいうえお」から習い始めた初心者たちだ。
最初にディクテ(いっしょにお酒をのみませんか?ええ、のみましょう)をやり、その後は、絵や写真を見ながら、形容詞の復習をする。
高い、大きい、遠い・・・などを「い形容詞」と呼び、きれいな、有名な、ひまな・・・を「な形容詞」と呼ぶ。
後者は「形容動詞」と学校で習ったけど、形容詞なのか動詞なのかわからないまま、これまで生きてきた。
「な形容詞」のほうがずっとわかりやすい。

例えば桜の写真:さくらはきれいです。銀座の写真:にぎやかです・・・まではみんなの意見が一致するが、次はジョニー・アリディの写真。先生が「ハンサムですか?」と尋ねると、ぷっと吹き出すヤツまでいて、「有名ですが、ハンサムじゃありません」(賛成)
サルコジの写真では「わるいです」という発言があり、「よくありません」「ときどきいいです」という人もいて政治論議になりそうだ。

そのあとに、形容詞をひとつずつ書いたカードが配られて、それを「ポジティヴ」「ネガティヴ」「どちらでもない」のグループに分けなさい、というのをやった。
研修生も手伝ってあげてください、といわれ、生徒さんの間を回って分け方を観察すると・・・「高い(金額が)」をネガティヴに入れている。
「でもサラリーが高い、はポジティヴなことじゃない?」というと、うーん、という顔になり、
「日本人とフランス人ではお金に関する考え方が違う」と言い出す。
「ひまな」をポジティヴに入れている人が多い。

分け終わったあと先生が黒板に書いていき、果たして、
「え?高いのはよくないことですか?」
「高いカメラ、高いアパート・・・よくないです」と誰かが答え、うんうんとみんなうなずく。
「自分で高いカメラを買うのはネガティヴだけど、人から高いカメラをもらうのはポジティヴでしょう?」
と先生がいうと、みんなそうだそうだと賛成する(ケチ!)。
日本人やアメリカ人だったら自分で高いカメラや自動車を買うのは、経済力があるってことでポジティヴと思うんでは?
この辺り、考え方の違いが出て面白い。

「ひまな」はみんながポジティヴ、「忙しい」はネガティヴだ。
「でも『忙しい』ってことは仕事がたくさんあるからで、いいことじゃない?」と先生。
誰も賛成しない。うつむいてニヤニヤしている。
仕事を必要悪と思っている(人が多い)フランス気質と、仕事は美徳の日本気質のコントラストがくっきり。

でも『忙しい』という字は“人を亡ぼす”と書くから、元来よくないことだったんだろう。忙しすぎると、人は大切なことを忘れていく気がする・・・もうすぐバカンスだ!


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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