ベタンクール事件:みんな灰色

娘と母の遺産争いから、現政府の現職大臣が深く関わっている(可能性が高い)政治スキャンダルに発展した“夏の連載小説”。
前回の続きは:
リリアンヌ・ベタンクールの財産管理会社クリメーヌ社長、ドメストゥル氏と、リリアンヌの“お友達”バニエ氏が、事情聴取で36時間も拘留された。
事件の焦点は、現労働相エリック・ヴァルトの奥さんフロランスがクリメーヌに勤めていたという事実だ。奥さんが就職した2007年、ヴァルトは予算相で政党UMPの経理係でもあったので、不正政治献金、脱税見逃しの疑いが持たれている。
ドメストゥルは事情聴取の中で、
「エリック・ヴァルトから奥さんの雇用の件で相談を受けた」と証言し、ダンナが奥さんをイチオシして就職させたというニュアンス。ヴァルトにとっては不利な証言だ。
これに対し、ヴァルトは、
「身に覚えのないことで一日中野党やマスコミから攻撃され、私はまるでパンチングボールだ。潔癖を証明したいので、事情聴取して欲しい」と言い出した。
たしかに彼のストレスは如何に、とお察しするが、“潔癖”かねえ・・・

一方バニエ氏は最初、リリアンヌの25歳年下の愛人のように思われていたが、実はゲイで、一緒に暮らしている男性のパートナーがいるという。リリアンヌはその彼にもお金をあげているというから、娘が「母がぼけているのにつけこんで・・・」というのも、真っ向から否定できなくなってきた。
バニエ氏は、リリアンヌから贈与されたセイシェルの島について、
「ちっぽけで蚊ばっかりで、蒸し暑くて、あんな島大嫌いだ。近くにジョニー・デップが2つ島を持っていて何度か誘われたけど行ったことがない」
ふざけたオヤジである。

87歳のリリアンヌ、64歳のバニエ。愛人じゃないなら、やっぱりお金目当て?
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バニエ氏を訴えている、リリアンヌの娘フランソワーズの弁護士は、
「政治権力が司法に介入するのはとんでもない話だ。政治と司法は分立しているべき」と、ラジオのニュース番組で、サルコジ大統領のヴァルト庇いを批難した。

証言が食い違い、誰もが誰かを叩き、完全に白や黒の人はいなくて、全員灰色・・・という雰囲気だ。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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