成田、全力疾走

朝の9時ですでに34度。窓から、最後の東京の風景を眺めているうちにリムジンバスは成田に着いた。
2時間以上前に着くなんて珍しい。3度も列を間違えた挙句、チェックイン。
スーツケースを預けるとき、正確なセリフは忘れたが「武器や危険物は入っていませんか?」というようなことを聞かれた。ここで「入っています」と答えたらどうなるんだろう?と思いながら「いいえ」。

朝から何も食べていなかった私たちは悠々とサンドイッチを食べ、出国審査に赴く。
列の後ろについて待っていると、「ハセガワさま!」という声。よくある姓だから自分のこととは思わない。それに呼ばれるようなこと何もしてないもん。
ところが「エールフランスでお発ちの・・・」と限定されると、もしかして?
間もなく“顔は割れている”といわんばかりに、地上勤務の女性が私向かって突進してきた。
「スーツケースに危険物が入っているので、出していただかないと出発できません」
私たちは待っている人を全員すっ飛ばして出国審査を通る。
「危険物ってナンですか?」
「わかりません!」
「どっちのスーツケースですか?」
「わかりません!一緒に走ってください」
私が骨折の後でまだ走れないと言うと、娘たちのほうをきっと向き、次の瞬間には、みんな全力疾走で走り出していた。
私と一緒に残った女性スタッフがトーキーウォーキーで、
「今、子供が向かっています。10歳以上と思われます」
「13歳!」
危険物?何が危険なんだ?と中身を思い浮かべながら、精一杯の小走りでゲートに着くと、スーツケースが床に開けられている。
「ライターが入っていますね?どこですか?」
プレゼント用に買った小さいライターを取り出し、手荷物に入れた。
こんな小さいもの、どうやって発見したの?ひとりでに発火する危険性があるってこと?
「武器や危険物」じゃなくて、「ライターやマッチは入っていますか?」のような現実的な質問をしてくれたら、こういう騒ぎにはならなかったのに。
批難の眼差しに見送られながら、私たちはしおしおと飛行機に乗ったのだ。
新幹線といい飛行機といい、私は乗り物と相性が悪いみたい。

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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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