デモは楽しい国民的スポーツ

ようやく2ヶ月以上の夏休みが終わり、学校が始まって「ホッ」とする間もなく、月曜日は「ストで給食がないから、お金ちょうだい」
さらに火曜日は「先生の殆どがデモに参加するんで13時に始まって15時に終わるの、ヤッホー」

そう、7日火曜日は定年制度の改革に反対する大掛かりなデモが行われた。
SNCF(フランス国鉄)や RER(首都圏高速電車)は間引き、学校の先生は3人に1人、郵便局は20%・・・デモ参加者は主催者(労働組合)側発表で全国250万人と、6月のデモの2倍を超える。

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何にこれほど反対しているかというと、60歳の定年が2年延びて62歳になる点だ。
さらにこの改革の首謀者である労働相エリック・ヴァルトが『ベタンクール事件』の中心人物の1人であること-つまり右派の政府と富豪の癒着-も反感を募らせている。

でもとにかくフランス人は2年余計に働きたくないのだ。
今の60歳はまだまだ若い。20歳前から工場などで働きだして「肉体的にきつい」という人達は理解できるが、2年くらいいいじゃない、と思うけどね。

日本ではデモとかストは全く見なくなったけど、世界的にもSo frenchな現象らしい。ポルトガル人の友達は、
「フランスはいいよね。こうやって不満を行動で表せる習慣があるんだから。うちの国では不満を抱えてみんな黙っている」
という意見もあれば、
「景気の後退に対処し、ドイツの経済システムに追いつくために年金改革は必然。フランス人は現実を直視していない」と批判するのはWall Street Journal。
「定年が62歳になっても、フランス人はヨーロッパで一番いい労働条件で働いている。とくに週35時間!」とはイギリスのTV局SKYのジャーナリスト。ドイツの定年は67歳だ。
アメリカのNew York Daily Newsは、
「平均寿命は延び、世界経済はぐらついている。どうして2年余計に働くのを拒めるのか?」
ごもっとも!
「定年60歳、有給休暇5週間、週35時間労働!フランス人は甘やかされている。泣き言をいうのをやめて働くべきだ」と、さらに厳しい意見も。

日本人にとって働くことは美徳であり、彼らは絶対働きすぎ。一方フランス人は「仕事は必要悪」と思っている人が少なくないものね。
概して外国のメディアは「2年余計に働くくらいでこれほど大騒ぎするヘンな国民」という口調。
「フランスで、デモは国民のスポーツ」と皮肉るジャーナリストの言葉は当たっている。

私は、大抵のデモのコースとなるバスティーユ界隈に住んでいて、よくデモ隊の間を縫って歩くはめになるが、参加者はみんな楽しそう。缶ビール片手に歩いている人もいるし、抗議デモというよりお祭りの雰囲気だ。
夕方、デモが終わって近くのカフェのテラスで一杯やる彼らは、ほんと、スポーツをした後のように晴れ晴れした顔をしている。
一度やってみたくなるほどだ。クセになったりして・・・


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コメント
面白かったです
こんにちは。いつも楽しく拝見しております。
定年が62歳になってデモ…。最初は仕事が得られない若者逹がデモを起こしているのかと想像してしまいましたが、当事者は逆なのですね。
日本と逆過ぎてしかも本当にフランスらしいですね(笑)
日本だと天下りは若者に職を譲るべきと避難されるのに。やっぱり不景気で不安ということもあり体が元気な限り働きたいという人も多いですよね。
特に働きもせず莫大な給料も貰える天下りは論点がズレてるかも…
Re: シドニー様
読んでくださってありがとうございます。

ほんとに日本と逆です。
労働組合や左派は昨日のストの「成功」に気を良くして、また月末にやるとか。でも政府は改革の本筋は変えるつもりはないようです。個人的にサルコジは好きじゃないけど、週35時間、5週間のバカンスで60歳定年は働かなすぎますよね。
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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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