気がつけば高校進学

中学(コレージュ)では新学年のはじめには盛大な父兄会がある。
校長先生のジェネラルな話が30分あり、その後各クラスに分かれ、各教科の先生が次々と現れて、今年度何を勉強するかを説明する。延々と2時間半。
「毎年同じような話なんで行かない」という親も少なくないが、「必ず行ってよ。遅れないでよ」と娘が言うので、私は行くことにしている。
今年はやけに出席率がいい。それもそのはず、中学の最終学年で、来年の6月にはBrevetと呼ばれる試験がある。この試験を突破するとコレージュ修了証書がもらえ、同時に高校への進学が許可される。
成功率80%以上だから、ここまでは全然狭き門ではない。問題は、最終学年1年間のテストの平均点で、どの高校に行けるか、が決まる点だ。

カンヌでパルム・ドールをとった『パリ20区、僕たちのクラス』の中学のように、勉強の遅れや不登校が目立つ中高がパリに増えていて、いきおいバカロレア成功率の高い学校に人気が集中するのだ。
「あれ?パリの学校って区によって決まってたんじゃなかった?」という方、その通りなんですけど、最近は越境が珍しくなくなった。
学校側も「勉強のできない近所の子よりも優秀な他区の子のほうが欲しい」と-口に出しては言わないものの-いうのが本音。そのため、ZEPと呼ばれる問題地域の学校と、いわゆる“受験校”の距離が開くばかりだ。

娘の行っている中学は高校もあり、一昔前は地元の子供ばかりで、大多数がそのまま高校に進めたんだろうけど、志願者が増え続け、足切りをするようになった。
長男のときは、平均点で20点満点14,5とっていれば同じ高校に行ける、と言われた。(そういえばフランスは試験も成績も20点満点だ)ギリギリが大得意の彼は、14,6かなんかで滑り込んだが、30%くらいは他の高校に行かされた。

それは6年前のこと。去年はコレージュ最終学年125人中、21人しか同じ高校に入れなかったと聞いて、集まった親たちはどよめいた。平均点15,5の子供が入れなかった、というのはすごい敷居の高さだ。

見かけによらず狭き門・・・
lyceeCharlemagne2.jpg

「・・・それだけに規則正しく毎日勉強することが肝心です」と校長先生の話は続く。
「授業は遅くとも5時に終わります。うちに帰って30分おやつと休憩、その後2時間復習、7時半に入浴、食事で9時半就寝・・・」
これには親たちの半分くらいが笑った。私も吹き出した。
もうちょっとリアリティのあるアドバイスをすればいいのに、これは現実とかけ離れすぎていて笑っちゃう。
朝8時から夕方5時まで授業があり、うちに帰って2時間勉強したら、かえって心配だ。
「大丈夫?少し遊ばないと身体にも頭にもよくないよ」と言いたくなる。
校長先生は「笑い」の意味がわからなかったように、
「子供の部屋にはテレビもパソコンもなし・・・」と語り続けるのであった。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


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