女性の左手は男性の2の腕の真ん中、男性の右手は“ちょうどブラジャーの位置”(つまりダンス教室へはノーブラで行けない)というポジションでステップを踏み、女性がくるりと回って位置を変える。
つぎに“開いて”-“2の腕”“ブラジャー”の手を離して離れること-女性が逆周りに回り、2人が手の平を合わせて男性が軽く突き放す、また引き寄せて・・・とステップが複雑になってくるにつれ、膨らんでくる疑問:今は先生が「開いて」「はい、回って」と掛け声をかけてくれるけど、ダンスパーティの時は次に何をするかどうやってわかるんだろう?

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その答えは間もなく判明する。クラスにかなり上手い男性がいて、一緒に踊りながら
「えーと次は回るんだっけ?」と言ったら、
「大丈夫、僕が引くから」
おお、言ってくれるじゃない!男の手がサインを送って決めてくれるってこと。
その男性は、鼻の頭にオデキでもあるのかバンドエイドを貼っていて一見パッとしないけど、リードが上手いので途端カッコ良く見える。男たちがダンスを習いたがる理由がわかる感じ。
言われたように、彼の手に任せていると、引くと見せかけて突き放し、順番では突き放すとこなのにぐっと引き寄せ、回り終えたばかりなのにまた回し・・・その微妙な手のサインに応えて踊るのは、快感なサスペンス。

なるほど。昔から飽きもせずみんながおめかしして踊っているのは、スポーツでも娯楽のためでもない。これは言葉より官能的な男女の駆け引きであり、くどきなのだ、ということにやっと気がついた。
「踊りませんか」という誘いからそれは始まっていて、お互いリードの仕方や反応を観察して「もっと深く知りたい」とか「こいつと寝ても大したことなさそう」という感想を持つんだろう。

ステップが複雑になりリズムが早くなると、「次は・・・」と頭で考えてはダメ。身体が覚えていなくてはついていけない。この反射神経こそ、実は私が最も苦手とするものなのだ。
その昔、ブレーキとアクセルを身体で覚えられず、足元を見ながら「こっちが・・・アクセル?」とやっていて教官に怒鳴られた。「アンタが路上に出たら、1日に1人ひき殺す」と言われて教習場をやめた話は、国境を越えて知れ渡り、
「あれは日本でのことで、フランスでなら取れるかも。もう一度トライしようかな」と言うと、辺りがシーンとなってしまう。

ダンスでもそんなことになったら、私は一体何を習えばいいんだろう・・・


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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