猛烈に寒い。雪まで降っている。こんな日はブーツしかない、と思いますよね。
でも革は雪や雨に濡れると痛む。その上、パリでは雪や雨氷のとき、滑って転んで怪我をする人が続出するので、それを防ぐため地面に塩をまく。塩は雪や氷を溶かす作用もあるので何トンもまくそうだが、おかげで靴が、それこそ塩をふいたようになり、さらに痛む。
こんな日には、靴フェチの私としては好きなブーツを履きたくない。
で、オンボロブーツを引っ張り出して出かけるが、やっぱり滑る。

neigepetit.jpg

折れた骨がやっとくっついたというのに、また折ったらバカだ。というわけで、ゴム長靴を探していた。
息子がブドウの収穫バイトに行くとき持って行くようなヤツ。
2年くらい前、セルジオ・ロッシが綺麗なブルーのゴム製ブーツを出したけど、それは履くより飾っておきたい値段だった。

昨日、レピュブリックの近くを歩いていたら、「こんな靴屋が潰れず、存続していけるのは世界の七不思議」と思えるダサい靴屋があった。そのウィンドウに黒いゴム長靴!
時間がないよ、と一旦通り過ぎたが、強い引力に引き寄せられるように、気がついたら店の中。
お客が誰もいない店内に、ゴホゴホ咳をしている老夫婦が、奥深い田舎町でしか売っていないような靴に囲まれて座っている。「何かお探し?」
「この長靴・・・」とひっくり返してサイズを見ると35。私は37だ。
「でも大き目の作りなのよ。それが最後の一足。履いてみたら?」
履いてみたら、なるほど中で足が動くくらい。Made in Italyでお値段は39ユーロ。
「アラちょうどいいじゃない。みんな試すんだけど、小さすぎてね」
そんな話あったよね・・・シンデレラの靴!
ダサい靴屋のゴム長靴だけど、誰の足にも合わなくて、私を待っていた靴・・・

筒の部分が乗馬靴みたいに細いのがいい。

bottes_20101208075925.jpg

「イタリア製なんですね?」
「そう、中国製じゃないわよ」と喘息のおばあさんは笑い、中国製の靴で足に麻疹ができた話を始めた。
ふと、私がアジア系の顔なのに気づき、
「あなた、どこのお生まれ?」
日本と聞くと安心して、お客は誰も入ってこないから、中国の悪口は長々と続く。
念願のゴム長靴と出会えたから、おとなしく聞いていた。


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コメント
こんにちは
素敵な長靴見つかって良かったですね!
私はシンプルでいいと思います。細身で形もいいし!そんなへんてつもないボロ靴屋で誰にも買われずに出会った靴…たしかに運命のように感じます

塩、まくんですね
砂まくより雪にまじって綺麗ですものね、

いつも楽しく読んでます☆
Re: johnmickeyさま
早速、毎日のように愛用しています。
先日、同じ場所で打ち合わせがあったんで、通りがかりにボロ靴屋を探したら見つからない!もしかして、あの靴屋はあの日だけ現れて・・・と御伽噺のようなことを(考えるのが好きなんで)思い描いたら、私が方向音痴だっただけで、場所を間違えていました。
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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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