
映画館チェーンUGCの「見放題」カードを作ってから、より映画館が気軽になった。月額18ユーロだから2回半でモトがとれる。MK2チェーンでも同様のカードを作っているので、配給映画のジャンルで選ぶといい。つまらなかったときも「お金払ったんだから」と最後まで我慢せず、心置きなく出れる。土曜日の午後、ぽっかり時間が空いてレ・アールのCine Citeに行って「Apres lui」(彼の後で)を見た。残り空席数が40となっているので、最前列だったらやだな、と思って入ると、100席くらいの小さな映写室で、半分くらいしか埋まっていなかった。地味な映画だものね。
カミーユ(カトリーヌ・ドヌーヴ)は、交通事故で息子を亡くし、自分の人生が崩れるような悲しみを味わう。埋葬の日に、息子の親友で、事故の引き起こした張本人でもあるフランクを連れてきて親戚のひんしゅくを買う。しかし唯一彼女を慰めるのはフランク(トマ・デュメルシェズ、写真)の存在で、カミーユの娘(エロディ・ブシェズ)の出産も彼女の悲しみを紛らすことができない。
カミーユとフランクの関係は、母娘のとは全然違う、母と息子の関係をたくみに映し出している。母であり、女、息子であり、男なのだ。深い喪失感で強調されたアンビバレントな愛情がフランクに注がれる。
息子を失った母の悲しみ、とはくくれない微妙なところにテーマはあり、母と女を同居させるドヌーヴが素晴らしい。冒頭ではきっと泣きます。
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