言葉にするのは難しい

原発事故について日仏の報道の差が問題になっているけど、日本のメディアもリンクをたどっていくと、結構同じようなことを言っている。
ただタイトルは、フランスが“ますます深刻化”なのに対し、日本は“心配しなくて大丈夫”なトーン。
両国の国民性を考えるとパラドクサルだ。大騒ぎしがちなフランス人にこそ“大丈夫”でいいのでは?
まあメディアもフランス製だから、その言葉も国民性を表すということだ。

震災直後、日本人の冷静さ、強靭さ、節度に驚き、感嘆していたフランス人は、今、「なぜそうできるのか」分析の段階に入っている。
分析1:日本人がこういう災難がいつか来ることを知っていたから。彼らは生まれてからずっといつか大地震がくると“教育”されている。
2:その奥底には“現世ははかない”という認識がある。といっても運命論や諦めではなく、コントロールできない物事をありのままに受け入れる、という姿勢だ。
3:さらにその根底には、日本人の精神に根付いている神道の思想がある、というのは、日本文学を25年間出版しているフィリップ・ピキエ氏。

そんな風に考えたことはなかった。

神道の神様は草や木などあらゆるものに宿り、人間の日常生活の色々なシーンを見守る神で、キリストやマホメットのようなカリスマ神が頂点にいる宗教とは構図が違う。

WIKIPEDIAに行ってみると、神道の神とは、
「自然を感じ取り、そのもののままでは厳しい自然の中で、人間として文化的な生活を営むのにふさわしい環境と状態を、自然との調和に配慮しながらバランスを取り調節して行き、人民生活を見回って、生活する為の知恵や知識のヒントを与えたり、少し手伝ってあげたり、体や物を借りた時や何かやって貰った時などには少しお礼をしたり。それが、日本の「神(かみ)」がやっていた仕事の一つである・・・」
なるほど。これは励ましあい助け合って、知恵を出し合って不自由な生活に耐えている被災地の人たちの姿そのままではないか。
政府の言うことがあまり信用できなくなっても、被災者の援助や国の復興に“自分が必要とされている”という暗黙の認識がある。それが地域社会の団結を作り、それが集まって日本の強い団結と力を作っているのだと思う。

長く外国に住んでいる私が、この特質を持っているか定かでないけど、世界的評価を高めている日本人を素晴らしいと思う。

震災以来、驚愕、不安、賞賛、そこにいない自分に何ができるか、などの思いが錯綜し、それを言葉にするのがとても難しい。

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コメント
またまたコメントさせて頂きます。
「神道」は、日本人は特に意識しませんよね。でも、自然とともに生きるということは、生まれたときから持っている感覚かもしれません。
私は、外国在住の経験はありませんが、外国人(とひとくくりにするのも。イメージですが、欧米人)は、自然を自分たちのスタイルに組み込もうとする感じがします。
知りもせずにいいますが。
陸前高田で奮闘した、ある看護師さんの手記
http://blog.goo.ne.jp/flower-wing

素人丸出しの日本政府の原発危機管理
http://blog.goo.ne.jp/kitaushi/e/58bccd331a294bee402da0cf3452e259

フクシマ50?はあ?
エル・ムンド[EL MUNDO:スペインの新聞 ]2003.6.8
調査報告/原子力発電所における秘密
日本の原発奴隷
http://www.jca.apc.org/mihama/rosai/elmundo030608.htm

メディアが報じない事実がここにあります。
こんにちは
日本人への賞賛感嘆の声は、すごく嬉しいし誇らしいですね。
勿論そんな誉められた行動ばかりではないんですが、みんな不安なんですものね。

やたら「不謹慎」「自粛」の言葉が飛び交う今日ですが、23日にセンバツ高校野球が開幕されました。
お時間がありましたら、開会式の「選手宣誓」をご覧になって下さい。

神道なのか教育の賜か。
私はとても力を貰いました。
たかこさんにも是非(^^)
Re: かえる様
日本人は自然の美しさにも敏感だけど、台風、豪雨、地震、津波・・・の怖さも身近に知っていて、自然の驚異の前に人間が無力だと知っているんでしょうね。
私も今回初めて意識したことですが、果たしてそれが神道に根ざした態度なのかは・・・うーん、どうなんでしょう?
Re: カジカさま
「不謹慎」「自粛」・・・そういう自己規制や他人の目も大変だと思いますが、日本人の国際的評価があがったのは確かですね。

センバツの開会式、ニコニコ動画で見れるでしょうか?
情報をありがとうございます!
Re:
情報をありがとうございます。読んでみます。
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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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