“世界で一番古い職業”の危機

世界で一番古い職業ってナンだ?と聞かれたら、猟師とか漁師・・・?と答えるけど、正解は娼婦。少なくともフランスではそういわれている。
最近、フランスの売春事情を調べている議員たちが「お客に責任の一旦を担わせよう」と言い出した。具体的には、3000ユーロの罰金から禁固6ヶ月の罰を課す、というもの。

フランスで売春をしている人は1万8000~2万人、しかし実際の数字はこれにゼロをひとつ足したものといわれる。このうち80%が女性で、同じく80%が外国国籍。未成年者は4000~1万人。

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写真:lefigaro.fr

「そんな法律、実現不可能よ!フランスの家庭に罰金や裁判所出頭の通知を送りつけて、みんなを離婚させようっていうの?!」と怒るのは、この道42年でまだ現役、ブーローニュの森を仕事場にするミッシェル。そんなことをしたら、娼婦たちはお客に迷惑がかからないように、さらに隠れて仕事をするようになる、と言う。
ミッシェルに同調するのは売春労働組合:そんな法案は、娼婦・娼夫をさらに孤立させ、結果的に不法労働者や犯罪組織を優遇することになる、と。確かにそうだ。
第一、フランスで売春は軽犯罪ではないので、そこから変えなくてはいけない。法案を提出した議員さんたちは張り切っているけど、実現は難しそうだ。

私たちが今のアパルトマンに越してきた15年前、うちの向かい側を“仕事場”にしている娼婦がいた。
推定年齢60歳。朝10時に出勤してきて夕方6時頃まで道に立っていて、近所の人とおしゃべりしたり、時々通りかかる警官ともお友達だった。私もよく立ち話をした。
小学校1年生だった息子には「管理人のオバサン」と言っておいたが、ミニスカートに網タイツ、付けまつげで、ゴミ箱もださない管理人を不思議に思っていたらしい。

64歳で彼女は引退し、郊外で老人の介護の仕事をする、と去っていった。色々な形で“人の世話”をするのが好きな、頼もしいオバサンだった。
彼女もミッシェルという名前だったことを思い出した。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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