Centre Commercial(ショッピング・モール)という名のコンセプト・ストアの噂を聞き、ふざけたネーミングと思いつつ行ったみた。サン・マルタン運河近く、田舎の家を素敵に改築したような店内には服、バッグ、靴、本、家具、自転車・・・コスメも少しある。
服は知らないブランドが殆どだが、私の好きなマリンボーダーのSaint Jamesサン・ジェームス、今時なかなか見つからないベーシックなセーターのS.N.S herningなど、懐かしい温もりのあるものが並んでいる。
当然、どんな視点で選ばれているのか知りたくなる。

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男性スタッフ(すごく感じのいい)に尋ねると、自然素材、エコロジーにこだわり、ヨーロッパで作られているブランドというお返事。つまり多くの有名ブランドがやっているように、人件費の安い中国や台湾で作っていないということ。
そういえば、ラジオでジーンズの値段についてのけぞるような話を聞いた。
有名ブランドのジーンズの殆どは中国で作られ、工場出の値段は3~5ユーロ(!)。マルセイユまでの船がジーンズ1本あたり1ユーロ、通関に40セント。すなわち一番高くて6ユーロ40セントでフランスに着く。それがどうして150~200ユーロ、またはそれ以上で売られるか、というと、マーケティング、広告宣伝費、ブランドネームの付加価値(すなわち利潤)だそうだ。
このように暴利を貪ることをせず、地元労働者に正当な賃金を払い環境保護にも気をつけているブランドが選ばれているわけだ。

ブロカントの家具も置いている。懐かしいデザインと手触り。
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当然、誰が考えたコンセプト?と聞きたくなる。スニーカーのVejaという答え。
Vejaの製品はブラジルのオーガニックコットンを使ってブラジルで作られている。

植物染色の革、色が綺麗。買ったことのないブランドだ。
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船でル・アーヴルに着いた製品は、河川を通ってセーヌ河にたどり着き、Atelier Sans Frontiere(国境なきアトリエ)の手で荷降ろしされる。これはもと受刑者、もとアルコール依存症患者の社会復帰を助ける団体だそうだ。
お店で売っている中古の自転車もこの団体の人たちが修理したもの。

異常に高いブランド品の値段設定や、不健康で不平等な経済循環に反対し、次の世代のことを考えたコンセプトに、私はひたすら「へえー」「ほう・・・」「はー」を連発し、何も買わずにお店を出た。

Merciは利益をマダガスカルの恵まれない子供たちに送っている。
Centre Commercialは、生産過程で地域労働者や環境を護り、広告宣伝をしないで値段を押さえている。
物が溢れブランドの付加価値がもてはやされた時代から、考えて選んで提案する姿勢が注目される時代になってきたということだ。


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コメント
Re: ラベンダー様
はじめまして。
わざわざ来るほどのお店ではありませんが(と私が謙遜することもないですけど)サン・マルタン運河を散歩したついでに立ち寄られたらと思います。
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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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