まず『Omar m’a tuer』。
フランス語をご存知の方なら、「オマールが私を殺した」ならtué と過去分詞になるはず、さらに私が女性ならtuéeと一致するはず、と言われるでしょう。それは全く正しいのですが、いくら最近のフランス人が綴り間違いに長けているとは言え、映画タイトルを間違えるほどではない。
1991年6月、南仏の館の地下室で、お金持ちの未亡人が殺された。ナイフで滅多切りにされた死体のわきの壁に、血で「Omar m’a tuer」。未亡人の庭師だったオマールはすぐ殺人容疑で逮捕される。映画は当時話題になったこの事件の映画化。死ぬ間際に書かれた言葉がタイトルになっている。そういう状況で、活用や過去分詞一致を気にしている余裕がなかったのはもっとも、歴史に残る綴り間違いになった。

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オマールを演じるサミ・ブウジラは役作りのため10kg痩せ、モロッコ・アクセントのたどたどしいフランス語を練習(彼はフランス生まれ)、迫真の演技を見せる。親や子供、その子供までが“あの殺人犯の・・・”と言われないため無実を訴え続けるオマールの姿や、移民の微妙な立場が描かれている。一見の価値あり。
ただ、監督のロシュディ・ゼムが“オマールは無実”の前提に立っているので事件の全貌が見えにくいのが難。でもお奨めの部類に入る。

俳優でもあるロシュディ・ゼム。朝市ですれ違ったけど結構かっこいい。
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Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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