わかりかけたブルターニュの魅力

ブルターニュが好き、毎年バカンスはブルターニュ、という人が多いのはなぜ?
天気は悪いし、海は冷たいし、今までよく理解できなかった。

私が“親代わり”と思っている老夫婦ジョー&エレーヌは、毎夏1ヶ月、ブルターニュに家を借りる。同じ家を25年以上・・・。
パリから電車で4時間、そこから車で20分、家が数件しかない人里離れた村はKermerzac (ケルメルザック)。
Kerとはブルトン語で“集落”の意味で、このあたりにはケルとつく知名に頻繁に出会う。
目の前は海。ポツンポツンとある家以外は、林や野原が延々と続く。海岸から何kmは家を建ててはいけない、2階以上はダメなど規定が厳しいのでホテルもない。25年前と変わらぬ自然が護られているそうだ。

家は、ELLE Decoration の「田舎の家」特集に出てきそう。
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この家ではネットが繋がらず、誰もテレビをつけない。特に観たいとも思わないし。全然退屈しないのは、ブルターニュの空と海のせい?
雨がしっかり降ったと思うと、突然太陽が顔を出し、波のない海がキラキラ輝く。よし、海辺まで降りていこうかと思うと、厚い雲が太陽を隠して肌寒い。諦めて本を取り出すと太陽がかっと照りつける・・・気まぐれに変わる空と海を眺めていると少しも飽きない。

家の前にある海岸は殆どプライベートビーチ
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「ブルターニュに天気予報なんてあるの?」
「一応ね」とジョー。
「意味ないじゃない」
「まあね」
老夫婦の毎日は、ご飯を食べ、海を眺め、本を読み、ご飯を食べ、お昼寝をし、また海を眺めて過ぎて行く。
最近、物忘れが激しくなったエレーヌは一日に何度も
「誰かいるの?」と聞く。
「タカコが来てるんだよ」ご主人は辛抱強く同じ返事を繰り返す。
すると奥さんは「タカコタカコカコカコ・・・」と歌いだす。その声は可愛く、テーマソングになったのは初めてなので嬉しくなる。

夕方、港のビストロでアペリティフを飲むのが唯一の“イベント”。エレーヌはSuze、ジョーはラムベースのプランターズパンチ、私はロゼワインをゆっくり飲む。

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ビストロの女主人は2日目には覚えていて「同じのね?」

朝から子供たちがテレビをつけ、ひっきりなしにメールやSMSが行きかい電話が鳴る日常とはなんという違い。
退屈するのでは?という心配とは裏腹に、これまでにない濃密な時間を過ごした私。
「また来年もいらっしゃいね」とエレーヌに手を握られて、ちょっと哀しくなる。心残りのような・・・来年もさ来年も、まだまだ元気でいて欲しい。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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