ジュスティーヌとミカエルの結婚披露宴が行われる。花嫁の姉夫婦の豪華な館に大勢の招待客が集まっている。
ところが主役の2人は招待客たちをさんざん待たせ、2時間も遅れて到着。
一方、メランコリア惑星が地球に大接近している。

melancholia_430.jpg

ラース・フォン・トリアーの『Melancholia』は、ジュスティーヌ、クレールとその夫-欝の人と普通の人-が、この状況をどう生きるか、を描いている。これ以上書いたら恨まれそうなのでやめておく。

観終わったときガーンとくる傑作、そして深い余韻や自問自答を残す。
こういうテーマをこういう切り口と映像で表現できる監督は他にいないだろう。

俳優陣がみんなすごくいい。
欝な人間を演じたら右に出る女優はいないキルスティン・ダンスト。花嫁役は彼女以外考えられない。
不安定な妹と招待客の板ばさみで右往左往する姉クレール(シャルロット・ゲインズブール)もいい。でもちょっと痩せすぎ。
その夫はキーファー・サザーランド。懐かしい『24-Twenty Four』のジャック・バウアー。
死ぬほどの拷問に遭っても、次の瞬間何事も無かったように駆け出していた超人ジャック・バウアーとは裏腹の、ごく普通の人間を演じている。
笑っちゃうほど辛らつな花嫁の母、シャルロット・ランプリング・・・

そして映像の幻想的な美しさ。
melancholia2_430.jpg

観る人によって解釈が違うのも作品の深さを現している、と思う。
監督が「ナチに共感」の問題発言をしなかったら、カンヌでグランプリを取っていたはず。
一方グランプリをとったテレンス・マリックの『Tree of life』はどこがいいのかわからなかった。
これでもかこれでもか、と出てくる自然界の映像は、偉大なる自然の記録映画を観ているようで、ブラッド・ピットがお父さんの家族の話との接点がよく見えない。
感動したという人は多いので、私がおかしいのかもしれないけど。

『Melancholia』
フランスで公開中

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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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