・・・自分より20cmも背が高くなって力も倍くらい強くなっても心配するもんだ。
友達のうちに行ってくる、と夜出て行った息子が帰ってこなかった。20歳の大学生だし、朝帰りはよくやる。
でも翌日の夕方になっても帰ってこないので、心配になりだした。
必ず電話かSMSを送ってくるし、お腹が空くと帰ってくるという現金な子だから。

うちによく遊びにくる友達に電話したら「昨日は一度も会っていない」「誰のうちに行ったのか知らない」という返事。
夫は「何かあったに違いない」と私より心配するので伝染して、いても立ってもいられなくなる。
仮定①:事故か喧嘩で怪我をして救急車で運ばれ、身分証明書を持っていないので身元がわからない。

私がバスに跳ねられた時(15年前の話)は、まさにその状況で、夫はパリの病院1件ずつ電話して何件目かで意識がなかった私を見つけたそうだ。
15年の間にテクノロジーは急速の進歩を遂げ、今日ではパリの病院が全部ネットワークで繋がっている。電話で名前、生年月日、身長や特徴を言ったら1分足らずで「そのプロフィルに合う人は昨夜救急車で運ばれませんでした」という答え。それを聞いて私の心配は約半分に減った。

仮定②:セーヌ河岸(息子の友達グループの集まり場所)でハシシかなんか吸っていたのを警官に見つかってしょっぴかれた。
「週末の深夜、そんなことでしょっぴいてたら警官何人いても足りないじゃない」と私。
でも夫は「いや、そうに違いない」と確信ありげ。しかも成人なので、フランスの警察は親に連絡してこないという。釈放されるまで心配しながら待つってわけ?
時間が経つにつれ、夫は「吸ってただけじゃなくてハンパじゃない量を持っていたのかも」と“ディーラー説”にまで発展。
「毎晩遅く帰ってくると思っていたら・・・“釈放”されたらじっくり話し合わなきゃいかん」
娘だけが平然とテレビを見ながら「そのうち、ただいまって帰ってくるよ」

はたして。8時を過ぎた頃、「ただいまー」という暢気な声と共に息子が帰ってきた。
「丸一日どこ行ってたの!?」
「連絡もしないで!」
と襲いかかる親に息子はびっくりして、「ごめんごめん、ケータイのバッテリーがなくて・・・」
彼の言い訳によると、友達のうちで昼頃目覚め、お腹が空いたので帰ろうと思ったら、友達がご飯を作ってくれるというので一緒に食べて、その後テレビを見始めて、
「気がついたらこんな時間に」
とにかく無事に帰ってきて良かった、と夫は“ドラッグディラー説”などすっかり忘れ、私は、お昼を作ってくれた友達は女であろう、と想像し、娘は「私の言ったとおりじゃん」とニンマリするのであった。



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コメント
本当に子供がいくつになっても、親としては心配ですよね。私にも一人暮らし25歳の娘がおりますが、毎日メールして、無事を確認しています。返信メールが無い時には、交通事故にあったのでは?とか色々考え心配でたまりません。たかこさんが心配する気持ちはよ~くわかります。
私も息子がいるので、彼が20歳になったら・・・と考えて、読みながらハラハラしてしまいました。
どんなことがあっても連絡だけはするように教え込まなければ・・・

話はそれてしまうのですが、たかこさんのお宅では、お子様達との会話はフランス語ですか、日本語ですか?
我が家も日仏家庭なのですが、息子(7歳)の日本語力がなかなか伸びずに悩んでいます。
自分の子供とは母国語で話したいのですが、かなり労力と時間が必要だと実感しています。
成人しているお子様をお持ちのたかこさんのアドバイスが伺えたら嬉しいです!
Re: タイトルなし
自分が心配症すぎるのかと思っていたので、そう言っていただくと安心します!
Re: Mari様
フランスに住んで、学校も友達も、小さい頃のベビーシッターもフランス語の環境で、日本語を習慣にするのは強い意思と労力が必要だと思います。お母さんがうちでは日本語しかしゃべらないのがいい、と言われますが、夫が日本語を全然話せないので(スシ・サシミ・スキヤキ止まり)、うちでの会話はフランス語。子供は日本語学校に通っていて、子供に話すときはできるだけ日本語にしていますが返事はフランス語です。あまり強要しても拒絶反応になるし・・・難しいですね。
大したアドバイスはできませんが、お子さんが7歳なら日本語の本を毎日一緒に詠むとか(やってました)、お父さんの悪口は日本語で言うとか、遊びっぽく共犯関係を結べることはどうですか?
我が家にも今年からリセアンになった息子がおりますが、本当、"Petits enfants, petits soucis ; grands enfants, grands soucis."ですよね。

帰ると言っていた時間を過ぎたら、いつ帰ってくるのかハラハラしながら待っています。そして、想像するのは、交通事故や事件。。。。

もっと大きくなったら、お酒とかパーティーとか。。。またまた心配事が増えそうです。
親業は修行ですね。
Re: ミカリュス・ブルガリス様
同感です。
友人から「お子さん、もう大きくなったからラクでいいわね」なんて言われると「君、わかってないね!」といいたくなります。
反面、子供から随分エネルギーをもらっているのも確かですけど・・・
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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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