お医者さんの待合室で

悪寒がして咳が出て喉が痛い・・・大したことないだろうけど明日は日曜だし診てもらったほうがいいかと、かかりつけのお医者に電話すると、今日は診察しないというすげない返事。
そこで友人に教えてもらった別の開業医に電話する。
「予約は取らない。来た順よ。12時までだから急いで来なさい」と言われ、12時10分前に駆けつけると、待合室には順番を待つ人が10人以上!
一人20分としても・・・少なくとも1時間半待ち。覚悟を決めて雑誌の山を探すと、案の定「DSK、地獄に堕ちる」なんて古いのばっか。12時までって言っていたのに、12時すぎてもまだ患者さんが入ってくる。

みんな順番がわかっているのかな(自分もよくわかっていない)と不安になっていると、オバサンの一人が、
「えーと、私はそこのマダムの後で、あなた(私)は後から来たわよね」。
こういう時必ず“仕切り屋”が現れるのでありがたい。
アリーグル市場で八百屋さんをしているという彼女は、
「私はこの先生に30年近く診てもらってるの」
「私は50年ですよ」と答えたのは、小柄なおばあちゃん。
しかし。さっき顔を出した先生はどう見ても60は越えていないから、50年っているのはちょっと・・・と思っていると、
「私は110歳になるんです」とおばあちゃん。
みんなびっくりしておばあさんの顔を見る。一人で階段を上ってやってきたし、背中も曲がっていないし93歳の義父よりはるかに若く見える。
「シンジラレナイ!」「80以上には見えない!」「一体何を食べてるんです?」

「次の方」と先生が顔を出すと、「このおばあちゃん、110歳ですって!」と八百屋オバサン。
「何言ってるの、彼女は1933年生まれですよ」と先生が笑う。待合室にいた人たちは一斉に暗算を始めた。「78歳!」
おばあちゃんは、がっかりした顔になり、バッグから身分証明書を取り出して確かめたりしていた。女性はみんな若くサバ読むもんだと思っていたら、ある年齢になると逆になるんだろうか。

やっと私の番になり、診察室に入るとタバコの匂いがして、机の上にはしっかりタバコの箱が。
「○○さんの紹介できました」と言うと、「あら、○○さん、どうしてる?奥さんは元気?」と噂話で10分。待たせれる訳がわかった。
気管支炎だそうで。でも「タバコ吸うの?しばらくやめなさい」なんてことはもちろん言わず。
「あんまり効かないけどね・・・」と言いながら処方箋を書いて、「あったかくして大人しくしているのが一番」
ぶっとんだ“名医”と、下町っぽい温かさの待合室。少し具合がよくなったような気分でお医者さんのとこを出た。


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コメント
年のサバ
いつになったら年のサバが逆転するのでしょう。気になるところ。60歳になったら、パリの学校で美術を学びたい。その時、どっちを言いたい気分かな。
Re: 年のサバ
今の60歳は若いので、逆転はもっと後、やっぱり80近くじゃないでしょうか・・・
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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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