カンヌ映画祭で主役のジャン・デュジャルダンが最優秀男優賞を取ってから封切りまで5ヶ月(その間に記事やインタビューを流して期待を高めるというお馴染みマーケティング戦略)。
『The Artist』は“映画の中の映画”で始まり、最初から無声の世界に引きずり込む。

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1927年のハリウッドで、ジョージ・ヴァレンティンは無声映画の大スターだ。
しかし間もなくトーキー映画が登場、“若くてしゃべる俳優”の時代、彼の手引きでデビューしたペッピー・ミラー(ベレニス・ベジョ)は人気女優への道を歩み始める。
一方、ジョージは無声から有声に移行できず干されていく。
最初から惹かれあったジョージとペッピーだが、立場の逆転、お金、ジョージの自尊心が邪魔をし、愛にたどり着くのは難しい・・・

ペッピー役のベレニス・ベジョ、気丈で暖かいイイ女!
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落ちぶれて・・・
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photos:allocine
無声映画のスターは、映画を離れても無声の世界に棲んでいる、という撮り方が面白い。
モノクロの画面は美しく、セリフに代わる仕草や表現法が新鮮。ペッピーがジョージの楽屋に忍び込み、彼の上着を愛撫するシーン!どんな言葉より雄弁だ。
ジャン・デュジャルダンは『OSS117』(007のパロディ)など3枚目のイメージが強いけど、シリアスな役もなかなか。過去の栄華と自尊心を抱えて落ちぶれていくスターが似合っている。モノクロ画面で見ると、かなりの美男であることを再認識。

この映画のヒット理由のひとつが、“フランス人が静寂を求めている”ことの表れだとか。
口の減らない彼らが“沈黙は金なり”などと言いだしたのが可笑しい。いつまで続くことやら・・・

忘れてはならないのがジョージと寝食をともにする犬!最優秀男優賞(犬はオスと仮定して)は、犬が取るべきだったと思うほど大熱演。

『The Artist』
ミッシェル・ハザノヴィシウス監督作品
1時間40分
フランスで上映中


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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