フランスは12歳以下お断り『SHAME』

ブランドンは30代前半、独身、容姿端麗。マンハッタンの素敵なアパートに住み、コンサルティング会社に勤める・・・とすべてカッコいいが、性依存症だ。コールガールや街で声をかえた女性を連日アパートに連れ込む。
留守番電話には「いるんでしょ?電話とって!」という妹のメッセージが繰り返される。

『Hunger』(2008)で注目された英監督スティーヴ・マックィーンの『Shame』は、性依存症に苦しむブラントンの日常を、細部まで追いかける。いきおい性描写が多い。

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こっちのポスターのほうが象徴的でインパクトあり
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最初はただの女好きのプレーボーイかと思うが、本当に依存症で、しかも感情のない関係しか結べない。社内で惹かれあった女性とはできないのだ。
マイケル・ファスベンダーはこの男の欲望と苦悩と孤独を素晴らしく表現する。
『Hunger』でスティーヴ・マックィーンと出会い、監督の表現世界にぴったりはまった俳優だとか。
メトロの中で眼に留まった女性を見つめ続けるシーンなど、マイケル・ファスベンダーの発する“性的磁気”はすごい。
この作品で、ヴェニス映画祭最優秀男優賞をとった。
不安定な感じの妹を演じるのはキャリー・マリガン。兄を頼りにしてアパートに転がり込んできて、彼の“病い”を垣間見る。
『Drive』でもよかったけど不思議な存在感。彼女がクラブで歌う『New York New York』は元歌とは全然違うブルースで、切なくまとわりつく。

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性的描写はたしかに多いが、詩情があり、主人公の苦悩が伝わる作品。
でもアメリカでは17歳以下禁止で「NC-17」という日本の成人映画に等しいレーティングがつけられたそうだ。
フランスでは12歳以下禁止。もともとアメリカはセックスにピューリタンで、フランスはヴァイオレンスに厳しくセックスには寛容だけど、この映画を13歳の中学生に見せてどうするというの?理解に苦しむ。
14歳の娘のは見せたくないし、見たがらないだろう。テレビでセックスシーンがあるとクッションで顔を隠す年頃だ。
映画を観終わった人の多くが「ドミニック・ストロスカーンはこの病気なんだ」と思ったはずだし、アメリカ人がフランスで12歳以下禁止と聞いたら「やっぱりドミニック・ストロスカーンの国だ」と納得するだろうな。

『SHAME』
スティーヴ・マックィーン監督作品
1時間39分
フランスで公開中
(この週末は行列ができた)

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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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