色々なイヴ

イヴの夜9時半のメトロはガラガラだ。多くの人がクリスマスの夕食の間最中だもの当たり前。
私たちがなぜそんな時間にメトロに乗っていたかというと、また義父のせいだ。
うちでイヴを祝うのが習慣だったけど、「動きたくない」と義父が言い出し、去年は8人分の食事をうちで作って彼の家に運ぶことになった。パリの反対側で車で30分くらいかかる。
8人の中には「魚介類は一切食べない」「フォアグラが嫌いだから別のものを」「生牡蠣がないイヴなんて・・・」と注文が多く、義父の家に向かっている途中で忘れ物が次々に発覚し、口論と波乱に満ちたイヴであった。
今年もまた・・・と覚悟していたら、義父が「自分は早く寝るんで早く帰ってくれ」と言いだした。
もともとノエルや大晦日のRéveillonとは“真夜中の食事”という意味で、12月25日(キリストの誕生)なり新年を前夜遅くに祝うということだ。それを「自分は早く寝る」と言われても・・・私たちや4人の孫たちにとってもノエルなのだ。そこで夫や義弟が頭をひねり、アペリティフを義父の家でやり、続きをうちでやるという、殆どシュールなイヴとなった。

私たちは義父の家でシャンパンを飲み、アペリティフをつまみながら、義父が白ワインで1ダースの生牡蠣とフォアグラを食べるのを眺めた。
義父は自分が寝たあとも宴が続くのが不満そうだった。自分で言い出したくせに・・・

メトロにはクリスマスなんか関係ない、という雰囲気の男性が2人。私の前には17-8歳の女の子とそのお父さん。
娘はハムだけ挟んだサンドイッチを食べている。食べ終わるとお父さんは紙包みを取り出した。エクレアがひとつ、娘はそれを頬張って「美味しい!」とニッコリし、お父さんにも一口分けてあげる。
お父さんが娘をどこかへ送っていくとこのようだ。お父さんは夜勤で、メトロの中のひと時が2人で過ごすクリスマスなんだろうか。2人はとても楽しそうに見えた。

人間の幸せなんて心の持ち方次第。幸せそうな父娘の表情がそう言っているようだった。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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