少し前のル・モンド誌に日本で高級ブランドの売り上げが上昇したという記事があった。タイトルは「高級品で悪運祓いの日本」(日本人に反感を買いそうだけど、注意を引こうとするメディアのタイトルはこんなもんだ)。

第一の理由は、震災後、婚約・結婚が急上昇したこと。その結果、エンゲージと結婚指輪がすごく売れて高級ジュエリーブランドに“思いがけぬ幸運”をもたらした。
3.11の後、日本人が人との絆を大切に思うようになったことは知っていたけど、なるほど指輪が必要になるんだ。“風が吹けば桶屋が儲かる”と同じような構図。
銀座のカルティエは週末だけで1万人のお客を記録。このブームを感知したルイ・ヴィトンはロレンツ・バウマーがデザインしたエンゲージリングを日本で先行発売した(バウマーは斬新なデザインで評判。どんなリングであろうと探したけど見つからなかった)

もうひとつの理由として、婚約・結婚をしない人も高級品を買って自分を慰める傾向。
「仙台のルイ・ヴィトン店にも、高級品で“災難祓い”をしようとする顧客が戻ってきた」とル・モンド誌。
慰めるというより“明日のことはわからない。今という時を享受しよう(前から欲しかったものを買おう)”という気持ちからではと思う。
私がスキーで怪我したとき、お医者さんから「大腿骨ですんで良かった。頭を打っていたら大変なことになっていた」と言われた。比較にならない災難だけど「明日のことはわからない、今を大事にしなくちゃ」と思ったものだ(何か買っておくべきだった・・・)
コンサルティング会社べイン&コンパニーは、2012年、日本の高級品市場は2%増と予想しているとか。
シャネル・ジャポンの社長は、
「震災の後数ヶ月続いた“自粛モード”はだんだん薄れてきて、日本人は普段の習慣を取り戻した」
「うちにとってはここ3-4年来で最良の年になるだろう」とはPPR(グッチ、YSLなど包括するグループ)の社長。彼曰く、「日本は世界一難しい。靴の底に小さな傷があっても売れない。日本で商売ができれば、世界中どこにいっても怖くない」そうでしょうね。

何十年も高級ブランド売り上げで世界一だった日本。リーマン・ブラザー倒産で景気が激しく落ち込み、アメリカに一位の座を譲った。同時に日本人の高級品の買い方が違ってきた。

エルメス・インターナショナルの副社長は、
「日本人は何でもかんでも買わなくなった。本当に必要なもの、欲しいものを選んで買うし、同時にユニクロでセーターを買ったりする」
ブランドで全身固める時代は終わったってこと。
「我々は長いこと欧米人を真似していたが、日本人独自の表現、スタイルを見つけなければならないと理解した」とは資生堂名誉会長・福原義春氏。
東京でメトロに乗ると数人が同じLVやプラダのバッグを持っている、という時代は終わり(今、中国がそうだとか)“成熟期”に入った感じだ。

買い方は変わっても、購買力が戻ってきた。自粛して買わなければ、国に税金が入らないわけだし。
かってない災難から立ち直ろうとしている日本が伺える記事だった。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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