ショック、メビウスの死

美術学校に行っている娘が友達に「うちのママンはメビウスを知っている」と言ったら、みんなヒェーッとびっくりしたという話を聞いて、今の高校生にとっても偉大な巨匠なんだ、私はすごい人とお知り合いになれたもんだ、と思ったものだ。
フランス・バンドデシネを日本に紹介する仕事をしていた1990-2000年、メビウス(シナリオ)+谷口ジローさん(画)の企画があって、何度も会う機会があった。

moebius.jpg

どんな人?と娘に聞かれて・・・
穏やかな雰囲気で眼光だけ鋭い、なんか宗教の教祖みたいな人。ベジタリアンで、どんないいレストランに行っても、生野菜の盛り合わせをボリボリ食べ、その後は果物を食べていた。
宮崎駿の大ファンで2度目の奥さんイザベルとの子供はNausicca(ノシカと発音)。
自宅の一部にあるアトリエに行ったときは、その頃まだ小さかったノシカちゃんがギャーギャー泣き、上の息子さんが走り回り、奥さんは子供をあやしながら大きな声で電話で話しているという、集中できる雰囲気では全然ないのに、彼は平然と原画の仕上げをしていた。
コミックサロンで漫画家志望の人たちが彼に作品を見せに来ると、大概「実に上手い、素晴らしい!」と褒め、ウソ、そんなこと言っていいの?と心配になったもんだ。

2010年末から、カルチエ財団美術館であった回顧展は、漫画の原画やポスターやラフスケッチが集められたメビウス・ワールド、2回観にいった。緻密な線画や、見事な遠近法に、この人、ほんとに天才だなぁと。

moebius2.jpg
photo:le Fgaro

娘に紹介して、と言われ、
「ずーっと連絡してないのに、突然、娘が漫画家志望なんで会ってやってください、なんていえないわよ」と答えつつ、もしかして言えるかも・・・私も懐かしい、もう一度会いたい、と思った矢先。今朝のニュースに一瞬呆然となった。
長い間ガンと戦った末、と書かれてあったけど知らなかった。74歳。太極拳をして食事にも注意していたし、第一あのエネルギー・・・90歳でも現役でいそうに見えたのに。近しい人によると、回顧展のときに自分の病状をよく知っていたそうだ。
メビウス(Moebius)はジャン・ジロー(Jean Giraud)という本名でも創作していたので、フィガロの記事の見出しは
「2人の偉大なアーティストを失った」。
私にプレゼントしてくれた「Takakoへ」と署名つきの絵が大事な思い出になった。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


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