ボーリューの小さな駅にはコート・ダジュールの各駅停車の電車が止まる。
ニース・アンティーブ・カンヌ・グラース・・・その先はアヴィニオンまで。通過駅の名前を眺めているだけで夏の香りがしてきてウットリ。逆方向はモナコ・マントン、そして終点はイタリアの町、ヴェンティミーリア/Ventimigliaだ。
前回登場の元ホステス・マダムが「ヴェンティミーリアはいいわよ、物価も安いし金曜日には市が立つの」と言っていたし、ここまで来たからには電車で25分のイタリアまで行ってみよう。往復11ユーロ。

マントンを過ぎたあたりで携帯電話で遊んでいた娘が「イタリアに入った!」
国境を越えるとすぐイタリアのプロヴァイダーにバトンタッチされるのだ。

ヴェンティミーリアの駅を出ると、サーモンピンクの建物がごちゃごちゃと並ぶ活気のあるイタリア風景。

Ventimilla-001.jpg

駅前通りはまっすぐ海に続き、海岸には広い公園が木陰を作っている。

parc-001.jpg

この町の名所は11世紀に造られたカテドラル。旧市街の、窓から洗濯物がぶら下がった細い路地を上っていくと、工事現場の片隅にそのカテドラルが立っていた。知らなかったら通り過ぎるとこだ。今から千年前の建造物なんだからもう少し丁重に扱っていただきたい。

ロマン様式のまあナンてことないカテドラルですが・・・
cathedrale-001.jpg

カテドラル前に木のオブジェが並んでいるので、当時の滑り台かしら?と近づくと、なんと中世の拷問道具がさりげなく陳列されている。その隣には九柱戯(昔のボーリング)とか遊び道具もあって、なんかコンセプトのわからない展示だ。

tortures-001.jpg

とにかく食って泳いで寝るだけだったところへ“カルチャーな見学”を果たした私たちは満足。
お客の一人もいないレストランでパスタを食べた後、夫は昼寝をしにフランスに帰り、私は娘たちと海岸に行く。

バービーを持って遊びにきた女の子、すごく可愛かった。
filleavec Barbie-001

名前すら知らなかったこの町ヴェンティミーリアのことが新聞に大きく載ったのはその翌日のこと。
人口3万ののどかな田舎町は、なんとマフィア、それも世界で最も凶悪な犯罪組織のひとつ、カラブリアのNdranghetaの巣窟。建設・不動産業界に力を入れているこの(発音不可能な)マフィア組織は、レストランや店舗を買占め、応じないと家や店舗に火をつけ、“マフィア根絶”を掲げる議員のもとには弾丸3つ(1つは議員、あとの2つは秘書用)を送りつけてきたとか。

突然、誰もいなかったレストランはマネーローンダリングじゃないかとか、カテドラル前の拷問道具も脅しじゃなかったのかとか思えてきて・・・生きて帰還できてよかった!


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
↑ランキングに参加しています。お気に召したらクリックしてください。

スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最近の記事
カテゴリー
おすすめ書籍
RSSフィード
おすすめコスメ
フランスに行くなら
プロヴァンスの田舎町をまわる1日
アーカイブ