
エルメスはどこのブティックもエレガントだけど、フォーブール・サントノレの本店はエルメスの魂が感じられる。なにしろ1880年からここに居座っているんだから、魂くらい宿るだろう。ずっと拡張工事をしていて、やっと改装オープンになったので、それを見る口実で寄ってみた。スカーフやバッグは素通りして、見たいのはプレタポルテ。デザイナーがゴルチエになってから少し斬新さは加わったけど、独特の色合いやエレガンスの基本は変わらない。くすんだオレンジや枯葉の黄色、明るめのグレーなど得意な色が並ぶ。すそに10cmほどプリーツがついたトレンチ(つまりコートからスカートが出ているようなトロンプ・ロイユ)3200ユーロ!その優雅なラインに溜息、手の届かない値段にもうひとつ溜息。ところで、あちこち見ている間、店員が誰も声をかけてこない。透明人間になったような気分だ。エルメスの店員ともなると「ただ眺めている人」と「買うつもりのある人」を見分けるのかもしれない。
秋の初めにかなり金持ちの友人と車でエルメスの前を通ったら、彼が「エルメスはすごいよね、何を作っても他のブランドと一線を画している。僕が金持ちだったら店ごと欲しくなる」といっていた。金持ちにとっても高いブランドなのだ。
お店を出るときエルメスのマガジンを忘れずにもらっていこう。写真がだんとつに綺麗で何度見ても飽きない。
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