リベラシオン紙の一面で、「Casse –toi, riche con」(金持ちのバカ、出てけ)と罵られたベルナール・アルノー。このニュースを報道しようとした外国メディアは「Casse –toi, riche con」の訳にひどく頭を悩ませたらしい。そりゃ悩むだろうね。

ご存知の方はご存知のように、このセリフのルーツは2008年2月に遡る。シラク(元々)大統領が人気者だった農業サロンに赴いたサルコジ(元)大統領、シラクさんの人気にあやかろうと生産者とお話したり握手したりしていたところ、その一人が握手の手を拒み「触るな!手が汚れる」と叫んだ。それに応えてサルコジが「Eh ben, casse-toi, pauvre con」(そんなら失せろ、バカヤロー」

「触るな、手が汚れる」もすごい侮辱だけど、大統領がバカヤローも前代未聞。
この場面のヴィデオはその日のうちに、TF1、 FR2、 CANAL+、アメリカの CNNでも流れ、世界中を駆け巡った。
その時も、このセリフの訳に外国メディアは苦労した。
難しいのは「pauvre con」のニュアンス。仏日辞書で引いて組み合わせると「哀れなばか者」・・・全然迫力ないし、文学的香りさえする。「ろくでなし」は弱いし、平凡だけど「バカヤロー」かな、と。名訳があれば教えてください。
さて今度の「Casse –toi, riche con」がどう訳されてるかというと、
New Statesman :«Get lost, you rich bastard»
The Blaze :«Fuck off, you wealthy bastard»
l'International Business Timesはよりソフト :«Get lost, rich idiot»
などなど。

このアグレッシヴで効果的な記事を載せたリベラシオン紙、ベルナール・アルノーは名誉既存で訴えるといっているけど、訴訟を待たず50万ユーロというツケを払う羽目になる。アルノー寄りの広告主が揃って広告をストップしたからだ。
表現の自由、お金に買われないで頑張れ!

翌日のリベラシオンのトップ:ベルナール、戻ってきたら全部撤回する!
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コメント
Excellent!
本当に翻訳は難しいそう…。
Conにも、petit もあればgrosもありますからね!実際、息子に、両者の違いを聞かれて困りました!
日本語で言うと、なんといえばいいのでしょうか?
Re: Tokoko様
Conのように日常良く使う(!)単純な言葉ほど、文脈や言い方で意味が違ってくるので難しいですよね。
Gros conは、ほんとの大ばか者というニュアンスで、お知り合いになりたくないような。
Petit conはあまり耳にしませんがどうでしょう?
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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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