税金逃れでベルギー移住を決め、首相はじめ大臣たちから「情けない」「堕落」などと非難されたジェラール・ドパルデュー。怒って(あの巨体で怒ったらコワそうだ)首相宛に手紙をだした、まではご存知の方が多いはず。
「・・・私は14歳から印刷工として働き始め、倉庫係を経て俳優になった。今まで必ず税金は払ってきたし、2012年は収入の85%を払った。その私を“情けない”と批判する総理、そして大統領、あなた達は一体何様なんですか?」と締めくくる手紙を、ジュルナル・デュ・ディマンシュ(日曜新聞)に公開した。

それに対して俳優フィリップ・トレトンがドパルデューを批判する手紙を、リベラシオン紙に公開。
フィリップ・トレトンは日本では知られていないけど、コメディ・フランセーズの舞台俳優で、映画では2011年『Présumé coupable/推定有罪』他でセザール最優秀男優賞候補になっている。
政治活動(左派)もやっていて、2008年からパリ市会議員。2003-2007年はTF1の花形キャスター、クレール・シャザルと暮らし、その後ラジオ局France Interのジャーナリスト&アナウンサーと結婚(アナウンサーが好きなんだ)、シャザルの前は別の女性と子供2人・・・という多岐にご活躍の人物。

フィリップ・トレトン

「・・・アンタはもうフランス人でいたくないんだね。フランスの不動産を売っぱらって、お金を持って、アンタみたいな金持ちにもっと寛大な国に行こうというんだね・・・」
もう顔は見たくない、とっとと失せろ、アデューというアグレッシヴな最後。

これに対し、金曜日はカトリーヌ・ドヌーヴがトレトンに「あなたの辛らつな手紙を読んで生まれた怒り」を綴った手紙を書き、リベラシオンに掲載、というお手紙大会になった。

仏映画界の大御所2人、仲が良さそうだ。
ドパルデュー&ドヌーヴ

「私はドパルデューを弁護するのではなく、あなたに問いただしたい。・・・何の権利が、どういう民主主義的配慮が、あなたをこのような中傷的制裁に駆り立てるんですか?」
仏映画界の女王の手紙はなかなか文学的で、首相らの「情けない」「堕落だ」は、“国家を司る人が公に口にすべきでない言葉”とこっちも叩く(でも確かに)。手紙の最後は決まり文句(「友情を込めて」etc.)をもじって、「心からの失望を込めて」と結んである。

もともとベルナール・アルノーやドパルデューの、超がつく富裕者たちが移住を企むのは、オランド政権の税制改革(金持ちにもっと税金を払わせる)が原因、つまり右派VS左派の争いなんだわ。
その上、プーチンが「ドパルデューがロシアの滞在許可証かパスポートが欲しければ出してあげる」(なんで突然あなたが出てくるの?)第一、富裕者がそろってベルギーやらスイスに移住したがるのは近いからで、ロシアは日帰りできない。
とにかく。最初は孤立無援に見えたドパルデュー、今では味方が増え、勢いオランド大統領やエロー首相に批判の矛先が向いている。多難な2013年が待ち受けるオランドさん・・・

ランキングに参加しています。お気に召したらクリックしてください。
にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ

にほんブログ村 海外生活ブログへ
にほんブログ村


スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最近の記事
カテゴリー
おすすめ書籍
RSSフィード
おすすめコスメ
フランスに行くなら
プロヴァンスの田舎町をまわる1日
アーカイブ