その時、私はジーン・・・

出かける仕度をしていたら、あまり授業がないらしくうちでブラブラしている息子が、アナイス(猫)を抱いてでてきた。
「ずっと待ってるんだよ、君が帰るのを」
「誰が?」
息子だったら気持ち悪い。この年頃の子供は、親がいないと喜ぶのがふつうだ。
「アナイス。よく窓に座って、ママンが帰るのを待ってるんだ」
えっ!ハチ公じゃあるまいし、そんな可愛いことをしているとは知らなかった!感激して、駆け寄って、キスしようとしたら案の定、そっぽを向かれた。

窓のアナイス

次のジーン。
ソルドの間でもデパートの“1ヶ月お取替え・返品可能”は実に魅力的な条件。今年は長く着れるワンピースをひとつ。私は迷ったワンピースを2着とも買って、1ヶ月じっくり迷おうと。ところが1ヶ月って早く経つのね。取捨選択の日が迫り、息子と娘に着て見せることに。
「よく見て、率直な意見をいって」
兄貴はコンサバ、妹はアヴァンギャルドなので両者に見せるとちょうどいい。
夫に聞くと、「どっちも買っちゃえば」と無責任なことを言う(「買ってあげる」とは言わない)。両方買えれば苦労しない。

まずJil Sanderの黒いワンピース。これと全く一緒じゃないけど、下半身はこういう感じで丸首。

ジル・サンダー

ラインが好きなブランドだけど値段設定が高すぎ、この前買ったのはジル・サンダー自身がデザインしていた頃だから、今は昔・・・2004年!それが50%オフで365ユーロ。
ふーん、という顔の2人。

対するのはやっぱりシンプルなラインが得意なMichael Korsのウールのワンピース。やはり50%オフでほぼ同じ値段。
マイケル・コース

「絶対こっちがいい!」と2人とも異口同音。
ジル・サンダーのほうに傾いていた私は意外というかガッカリというか・・・
「なぜ?どうして?理由を述べよ」
「さっきのはなんかクリスマスツリーみたい」と娘。
クリスマス・ツリー!!
「なんかボコボコした感じだった・・・」と息子。
ボコボコ?!」でも言いたいことはわからないでもない。

娘「こっち(マイケル・コース)は身体の線が実際より綺麗に見える」
それはどーも。
息子「完璧なプティット・ローブ・ノワール。la petite robe noireと言えば、BHVで・・・」と彼は笑い出す。
「こちらには置いてませーん。リヴォリ通りのセフォラにはあるかもよ」と店員(男子)の口調を真似るので、ゲルランの香水la petite robe noireのことだとわかった。
「どっちみち高すぎて買えなかったけどね」
アンタ、一体どのガールフレンドにそんな香水をプレゼントしようとしたの!?といいかけて、クリスマスの前、朝帰りで眠そうな兄を妹が起こし、2人で買い物にでかける姿が蘇った。
「えっ?もしかして私に香水を買ってくれようとしたの?」
「うん、でもすごく高くて(私だって免税店でしか買わないもの)、結局CD3枚になったの」と娘。
びっくりしてジーンとしていると、そのジーンを読み間違えた娘が、
「香水のほうが良かったよね、Tant pis!(残念)」
そうじゃないの、CD (Phoenixと Massive attackの2枚組)すごくいい選択だった。何より色々探してくれた時間と気持ちが嬉しいのよ。

子供を育てるのって腹が立ったり、心配したり、私は“忍耐の女王”と思うことが多いけど、時々こんな思いがけない“贈り物”が用意されていて、だからヤメラレナイ。
追伸:かくして“クリスマスツリー”は返品の運命に。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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