美術高校に入った娘、早くも2年生になった。こっちが年とるはずだ。
先月、Bac blancと呼ばれるバカロレアの模擬試験があった。フランス語の口頭試問と筆記で、課題になった文学作品についてコメントを言ったり、質問に答えるというもの。
ランボーの詩集、ボーマルシェ『フィガロの結婚』、パトリック・モディアーノ『Dora Bruder/1941年、パリの尋ね人』、ラ・フォンテーヌ『Fables/寓話』の5冊が課題になっていた(高校生にモディアーノを出すのね!)。

筆記試験は「ちょろい」んだそう。
バカロレア模擬試験

「何もしゃべれなかったらどうしよう!」と娘は口頭試問を恐れている。アンタみたいなおしゃべりが何も言えないわけないじゃない。ソレとコレとは別、と言われれば、まぁそうだけど。
何度かシミュレーションに付き合わされた。つまりワタシが先生役。
課題の中で一番好きなランボーの「谷間の睡眠者」を選ぶ。中原中也の訳で有名だけど、口語で要約するとこんな詩だ。
“川のせせらぎが聞こえ、太陽が降り注ぐ谷間の草の上に若い兵士。口をかすかに開き、うなじは青い草の中に埋まり、眠っている。足は水仙菖の中に突っ込み、病気の子供のように微笑みを浮かべて眠っている。自然よ、彼を暖めておくれ、彼は寒い。陽光の中で、手を胸の上置き、眠っている。右のわき腹に赤い孔が2つ・・・”
「この作品をコメントしなさい」
「のどかな自然と死んでいる若い兵士のコントラスト・・・情景がまざまざと浮かび、ランボーの悪(戦争)に対する皮肉な目が感じられる、スゴイ詩だ」
私ならそう答えて、後は何も言うことはないけど、持ち時間は10分!
この作品の位置づけとか、形式とか、言葉の使い方とか、もろもろに触れなくてはいけないわけ。
親も勉強になる。
口頭試問はくじ引きでコメントするものが決まるが、運よくランボー(でもこの詩ではなかった)に当たったとか。
「じゃ、上手くいったでしょ?」
「まあね・・・」
子供は用心深い。

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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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