娘の学校では毎年、Porte Ouverte(一般公開日)がある。普通の公立高校とは違って、美術学校なので、3分の2以上の生徒は職業学校として入ってくるから、と言ってもわかりにくいですよね。私も最初、よくわからなかった。つまり、中学を終えて、高校→バカロレア→大学と進まず、CAP(職業適性資格)やBMA(職業学習終了資格)を取ろうとする人たちだ。大学を出ても深刻な就職難の時代、”手に職を”は利口な選択。

この美術学校には、ジュエリーデザイン、ブロンズ・メタルデザイン、空間デザイン、装飾家具・インテリアオブジェ・・・などの科があり、一般公開日にはそれぞれの科が作品を展示し、実演してみせる。
訪れるのは入学を希望している子供とその親。そして「うちの子が学校で何をしているのかわからん」という在校生の親たち。

黒地に黄色が案内係の在校生
パリ美術学校Boulle

学校から生まれた作品。家具が得意。
パリ美術学校Boulle 2

在校生は、学校のロゴマークのトレーナーを着て交代で案内係になり、見学者の質問に答える。
娘が案内係をする日、夫と一緒に行ってみた。かなり沢山の見学者。娘は質問に答えるのに忙しく相手にしてくれないので、家具デザイン、ジュエリーデザインなどの科を見て回る。
家具はデッサン、マケット、出来上がった椅子やテーブルが展示され、ジュエリーはデッサンをもとに金属を曲げたり削ったりの実演を披露している。広大な校舎と設備、学べるもののバラエティ・・・フランスはアートに力を入れている国だと改めて感心する。しかも国立なのでタダ、学食のお金しか払っていない。

去年、工事が終わったばかりの新校舎。
パリ美術学校Boulle 一般公開日

休憩時間になった娘を落ち合ったら、
「みんな、同じ質問をするのよ」
「なに、その質問って?」
「入学願書の手紙に何を書けば受かるのかって」

この学校は入試がなく、中学の成績と『lettre de motivation』-なぜこの学校に入りたいか動機を説明した手紙-だけで決まる。このモチベーション・レターには“何を学びたいか”より、“自分が学校に何をもたらすことができるか”を強調しなくてはいけない。
親子で夜中の1時までかかって書いた娘の『lettre de motivation』には、先祖まで遡りアーティストと呼べる人に総出演してもらい、さらに“日仏バイカルチャーの感性”とか・・・(よく言うよね)。

この学校は応用アートが専門なのに、娘は、
「やっぱり絵が好き。イラストや漫画が描きたい」
「それじゃ食べていけないぞ」と夫は脅かすけど、
「まだ15歳よ。もう少しウロウロと迷わせてやったらいいじゃない」と私。
「でも時間はすぐ経つ」
「大丈夫だって。答えは突然降ってくるものよ」
「降ってくるってどこから?」
超現実的な夫と、そうじゃない私。話にならん・・・


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コメント
それは!
長谷川さん側の血がイラストや漫画に興味を持たせるのでは!?
Re: それは!
わたしは絵がすごく下手で、絵を描くと「おばさんのあとを継がなくてほんとに良かったね!」と言われるくらいです。
隔世遺伝?
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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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