『Koh-Lanta/コー・ランタ』という冒険サバイバル番組-子供たちに付き合って観たら、はまりそうになった-のロケの初日に、参加者の1人が急死した。
まず『コー・ランタ』とは何か?
公募で選ばれた14~20人の参加者が、無人島で40日間生活する。最初に米が少し支給されるだけで、あとは自給自足。魚や草木を食べ、火を絶やさないようにし、雨や嵐をしのぎ・・・のサバイバルに加えて“試練”が用意されている。芋虫(生きている)や泥の試食、いかだ競争、ジャングルで宝探し(と書くと楽しそうだけど実は過酷)、杭の上に何時間も立っている、というのもあった。サドマゾの世界。

2002年から司会のドゥニ・ブロニアール。なんか人間味に欠けて好きじゃない。
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日が経つにつれて参加者は日焼けし、やせ細り、原住民のようになってくる。参加メンバーの投票で、ひとり、またひとりと脱落していき、最後に残った勝利者が10万ユーロの賞金を獲得する、というもの。TF1で2001年に始まり、高い視聴率のロングラン番組だ。

3月22日、カンボジアの無人島で2014年版のロケが始まった。

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その日、参加者の1人ジェラルド・ババン(25歳)が「心臓麻痺を起こし、すぐに蘇生措置をしてヘリコプターで近くの町に運んだが、病院に着いてから死亡」というのが、プロダクションの公式発表だった。
参加者たちは健康診断、体力テストを経て選ばれるが「若いのに・・・でもそういうことってあるよねぇ」とみんな思ったものだ。
ところが、ロケ現場にいた人からそれを覆す証言:ジェラルドは200m泳いだあと、息切れし、脚が攣った、と砂浜に横たわった。でも撮影は中断されなかった。間もなく彼が『医者を呼んでくれ!』と叫んだので、コー・ランタ専属の救急医が呼ばれたが、カメラは回り続け“医者の登場の仕方がよくなかった”と撮り直しになった。医師は応急措置をして、ヘリコプターで近くの町に運ぶことになったが、電話がすぐに通じなくて時間が経った・・・

もっと早く処置をしていたら助かったかも・・・という証言が報道されてからプロダクションは非難攻撃の的になる。当然、撮影は中止になり、プロダクションはこの証言者を名誉毀損で訴えると言い出した。

そしたら10日後の4月1日、専属の救急医がカンボジアで自殺したことが報道された。
「ここ数日、私の名前はメディアに汚され、不当な非難や推測が浴びせられた・・・医師になって20年間の努力が、嘘の証言で消滅してしまった・・・」という遺書が残された。
攻撃の的は、“人気番組の撮影が、人命救助より優先した”プロダクションから、“行きすぎた攻撃で自殺に追い込んだ”メディアに変わる・・・
FacebookやTwitterで雪だるま式に大きくなるネットワークの力は、いい結果ももたらすけど、時には凶器にもなる両刃の剣だ。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


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