メトロで稼ぐホームレスたち

「乗客の皆様、お邪魔してすみません。私は失業中、住居不定のエリック、35歳です。小銭かレストラン・チケット*をいただければ、食事にありつき、清潔を保つことができます・・・」
メトロに乗ればほとんど必ず出会う“物乞い”。(*レストラン・チケット/ticket restaurantとは企業が社員に出す食券で、レストランやお店で使える。平均7ユーロなんで、小銭からかなり飛躍がある。)

この“演説”が聞こえると、大抵の人は、読んでいる雑誌や本に深く顔を埋めるか、ヘッドホンの音楽で聞こえないふりをするか・・・メトロを職場にしている人たちは一体一日いくら稼いでいるんだろう?と思っていたら、リベラシオンに物乞いのインタビュー記事が載っていた。

「僕はヤニック、25歳です。今晩の宿のために6ユーロ足りないので、皆様の援助をお願いします」この時、ヤニックのポケットには既に100ユーロとレストラン・チケット3枚が入っていた!
「最初は冗談のつもりで始めたら、意外と儲かるんでやめられなくなった。月~金、毎日8時から16時まで、調子がいいと20時まで残業することもある。公務員と同じ。平均して一日100ユーロ稼ぐ。宿泊に50ユーロ、タバコ、食料、洗濯に20-30ユーロ・・・」
でも以前は一日200ユーロに達することもあったとか。この職業にも不況の影響。

仕事場、つまりメトロ路線の選び方も稼ぎ高に大きく影響する。ヤニックは3番線専門。パリ西のリッチな住宅街を横切るこの線には気前のいい乗客が多く、同業者から1位の人気を得ている。2番線も人気のライン:新車両で車両間に仕切りがないので、一々降りることなく“効率よく仕事ができる”。
ヤニックはこの職業の“成功者”の例で、平均値は一日50ユーロ。
「6ユーロ足りない」と具体的な数字を出すのが成功の鍵なのでは?

でも毎日宿泊に50ユーロ払っているなら、一ヶ月で1500ユーロ。300~400ユーロで屋根裏部屋が借りれるのに!・・・と思いますよね。でも賃貸契約には定職(賃金証明)があるのが条件、頭金も必要だ。かつてヤクの密売などやっていて家族から勘当されたヤニックが職を見つけるのは一朝一夕にはいかない。当面、こういう仕事になるのだ。(続く)


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


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