『危険なプロット』が日本で間もなく公開のフランソワ・オゾン。8月末にフランスで封切りになったこの作品『Jeune&Jolie/17歳』 も高校生が主人公だ。

イザベル役のマリン・ヴァクトが文字通り若くて美しい。
フランソワ・オゾン『Jeune&Jolie』

モデル出身で、YSLの香水パリジェンヌのイメージモデル。素顔っぽいほうが綺麗。
YSLのパリジェンヌ

レティシア・カスタに憂いをプラスしたような、あるいはジャクリーヌ・ビセット(知らない人が多いかも)の若い頃・・・その美しさから目が離せないというように、フランソワ・オゾンのカメラは一挙一動を追っていく。

17歳になったばかりのイザベルは、バカンス地で出会ったドイツ人と“処女を捨てるため”に寝る。でもイザベルにとってがっかりの体験になった。
9月、新学期が始まる。リセHenri Ⅳはパリ指折りの名門高校だ。イザベルはネットでお客を探し、売春を始める。選ぶのはかなり年上の男性ばかり。
一見、ふつうの高校生の彼女がなぜこういう道に走るのか?
両親は離婚して、母親とその新しい連れ合いと弟の4人家族。愛され、護られ、経済的にも不自由ない暮らし。
つまりお金のためではない。彼女の稼ぎは使われず、洋服ダンスの中に貯まっていく。
夏の苦い体験を塗りなおすため?自分探しの一貫?

この“説明できない”行為こそ、アドレッサンらしいように思う。
うちの息子の部屋があまりにグチャグチャに散らかっているので「片付けろってうるさく言ったほうがいいのかしら?」と友人の精神分析家に聞いたことがある。
「息子さんの頭の中はその部屋みたいな状態なんだと思う」が彼の答え。
ははぁ・・・そりゃ大変だわ。“部屋を片付けろ”は無意味で効果のないセリフであろう。思春期の自分探しの混沌は、通ってきたはずなのに、大人は忘れがちだ。

さてこういう体験をしたイザベルが、同年代の男の子を愛せるようになるだろうか?
映画は夏から始まる四季の四章で綴られ、フランスワーズ・アルディの1960-70年のシャンソンがそれぞれの季節に流れる。
メランコリーなアルディの歌声が半世紀後の舞台に合うのは、アドレッサンにとって“今”は、たちまち“過去”になるから?イザベルの1年は、混沌を突き抜ける通り道で、彼女にとってもう過去のこと・・・でもこれは極端な例。“通過儀礼”といって、女の子がこぞってに売春を始めたら大変なことになる・・・

『Jeune&Jolie』
フランソワ・オゾン監督作品
フランスで公開中

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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


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