ご存知の方はご存知のように、NYのホテルで、ハウスメイドに暴行した廉で逮捕されたドミニク・ストロス=カーン(DSK)は、当時(2011年)IMFの専務理事。左派の最有力大統領候補でもあった彼がそんなバカなことを!と誰もが唖然とした。
お金・権力・女、と話題になる要素が全部そろっていたので、当時は連日あらゆる角度で報道されたもんだ。

アベル・フェララの『Well come to New York』は、DSKの放蕩な生活-病気に近い女好き-と手錠をかけられるまでの経過を描いたもの。DSKをジェラール・ドパルデューが演じること、フランスで劇場公開されなくなりVOD(ヴィデオ・オン・デマンド)だけになったことで話題になっていた。
フランスで公開されない公の理由は『現在の事件だから』で、全然理由になっていない。「アベル・フェララの過去の作品の入りが悪かったので配給会社が足踏みした」という理由も読んだけど、これもウソっぽい。どんなひどいシナリオでも、ソフィー・マルソーやダニー・ブーンが主役なら映画館は必ず埋まる。まして(重量級!)ドパルデューじゃない。
太りすぎで顎もなくなった。
ジェラール・ドパルデュー

本当の理由は“DSKの弁護士団(団体なのね)と元妻アンヌ・サンクレールの圧力”と言われている。アンヌ・サンクレールのおじいさんはマチスとも面識があった有名な画商で、桁外れの財産をなした人。アンヌもマラケシュにお城を買ったり、ドミニックが元気がないと、そのお城に飛行機で財界人を呼びよせて盛大なパーティをしたり、彼が逮捕されれば保釈金をすぐ払ったりと、超のつくお金持ち。
だけど、禁止されれば余計観たくなるという私達の心理までは考えなかったみたい。

16日にカンヌに到着したドパルデューは、どのスターよりもたくさんのメディアに取り巻かれた。そして今夜21時、VODに先立って、カンヌの映画館での特別上映では席の奪い合いになったとか。その昔、ノーカットの『エマニュエル夫人』を観るパリツアーができたのを思い出した。
『Well come to New York』の一場面
ジェラール・ドパルデュー『Well come to NY』

公開前に話題になり、蓋を開けたら「なーんだ」という作品(『Grace de Monaco』はそうらしい)かと思っっていたら、上映後のジャーナリストの意見は:
『大胆でユーモラス』
『ドパルデュー炸裂』
『ドパルデューの奥深い才能、大胆な演技』
『勇気ある感動的な作品』
・・・“感動的”という形容詞は予想しなかったわね。これで余計観たくなった。
コンペティション作品には選ばれなかったけど、重量と才能でドパルデューに特別賞!

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コメント
ソフィー・マルソー
そういえば久しく彼女の映画を日本で見ませんね。ブレイブハートでちらっと見たような記憶があるくらい。
Re: ソフィー・マルソー
最近ではフランソワ・クルゼと共演の『Une rencontre/出会い』。タイトルだけで筋が見えてしまうシナリオ、でもスター2人を組ませて、観客動員数はある、みたいな作品が多いです。
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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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