紺碧の海に再会する

8月最初の日曜日。朝のラジオや、「腹が減った」とまとわりつく猫たちに別れを告げ、ニース近くの小さな海岸町、Cros de Cagnes/クロ・ドゥ・カーニュにやってきた。
去年と同じ場所に、同じアパルトマンを借りている。ニースの空港まで迎えに来てくれたエージェントのオジサンとも、これで4回目。ニースからモナコまで、バカンス用のアパルトマンを何件か管理している。年に一度の書き入れ時で、空港の送迎や、入居の世話や、水漏れや色々な故障やらで、一日駆け回っている。
今夏は、ずっと埋まらなくて、8月に入ってからバタバタと借り手が現れたそう。
「パリジャンは・・・変わってるね」とオジサン。
「注文が多くて、厄介ってこと?」と私。
「今朝、一晩中運転してパリから着いたお客さんがいてね、身長2mくらいの大男が3人。その荷物がハンパじゃない。聞いたら、南仏は物価が高いんで、パリから滞在中の食料を全部運んできたんだって!」
「パリと殆ど同じくらいじゃない?」
「そう言ったんだけどね。建物のエレベーターが古いんで、その大荷物と大男が一緒に乗ったら、大変なことになる!と言う間もなく、乗っちゃったんだ」
「エレベーターは故障・・・」
「そう、それで一晩中運転してクタクタなのに、大荷物を5階まで運ばなくちゃならなかったわけ。僕は手伝わなかったけど」
それは“パリジャン”じゃなくて、そいつらが変わってるんじゃない・・・

スーパーも商店街もパリとほぼ同じ価格、つまり高い。バカンス期に1年分稼ごうという魂胆。魚屋なんかパリより高くて「犯罪だわ」と、夫と2人回れ右で店を出た。
でも一番笑っちゃうのは、プライベートビーチの寝椅子の値段。一日15ユーロ、“最前列”だと45ユーロ!

地中海の海岸2

4人だと(夫と娘とその友達とワタシ)180ユーロ、ということは、ただのデッキチェアが、借りているアパルトマンの一日の家賃よりはるかに高い、というシュールな話。
よく見ると最前列がチラホラ埋まっていて、シャネルの水着にハローキティのバッグを持ったような女が寝そべっていたわ。

あまり混んでいない海岸(こちらは無料の、みんなの海岸)、海の色も去年のまま。
ニースの空港が近いので、目の前を飛行機が行き来する。海面にお腹がつくくらいすれすれに飛んで、着陸する。

地中海の海岸

朝の海岸。孫を見張るイタリア人おばあちゃん。海の上、右よりにゴミのように見えるのが飛行機。
地中海の海岸4

熱い太陽が心地いい。海をぼーっと眺めているだけで飽きない。
フランス人の70%近くがバカンスに海を選ぶとか。その気持ちがよくわかる。冬が長い国、身体が欲している太陽が肌に悪いなんて皮肉な話。


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コメント
ニースの海岸
初めてコメントいたします。
実は3年前に家族3人(8歳の子供と妻)でこの海岸を訪れました。3週間のイタリア旅行の一部でした。
この3週間で最もショックを受けたのが、このニースの海岸が石ころの海岸で、てっきり美しい砂浜を想像していたら予想もしない石ころで、歩くことも、走ることも、寝そべることもできず、まったく失望したことです。(まーそれでデッキが貸し出されていること納得ですが)
これまでブラジル、ホノルル、スペイン、黒海、もちろん日本の海岸、などあちこち行きましたが石ころの海岸は初めてで予備知識がなかったため未だにそのショックは引きずっています。これだけが理由で今後コートダジュールには行かないであろうことは、我が家族に限っては間違いありません。もちろんニースの海岸自体には何の責任もありませんが、この事実が旅行者に周知されていないことに疑問を持った次第です。長谷川さんはこの点ご存じだったでしょうか?また別に失望することではなかったでしょうか?またフランス人にとって、これが理由でスペインやアジアなどの他国に出かけるということは特にないのでしょうか?つまり美しい砂浜が海岸の絶対条件とは考えないのでしょうか?つまらぬ質問で恐縮ですが教えていただければと思いコメントしました。
Re: ニースの海岸
コメントありがとうございます。
コート・ダジュールの海岸は、ゴルフ・ド・ジュアンなど砂浜もあります。石ころの海岸は寝そべると確かに痛いので、海岸用マットを持ってきている人が多いです。私も買いました。反面、砂をうちに持って帰らない、という利点があります。砂浜だとアパルトマンの中が砂だらけになるので。
海と太陽があれば、あまり気にしない人が(私達も含めて)多いみたいです。きれいな石をいくつか拾いました。
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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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