批評がかなり悪いんで「なんでそんな映画観に行くの ?!」という声を振り切って観にいった映画 、「Maintenant ou jamais」。直訳すると「今っきゃない」というちょっとコミカルなタイトルになるけど、ジャンルはサスペンスだ。

映画『Mainenant ou jamais』

ジュリエット(レイラ・ベクティ)は夫と子供2人と暮し、ピアノの個人教師をしている。夫婦の楽しみは、郊外建てつつある家の進行状況を見に行くことだ。
ところがある日突然、銀行員の夫がクビになり、家のローンが打ち切られる。予期せぬ災難で頭がいっぱいのジュリエットは夜道でバッグをひったくられる。奇跡的に警察が犯人を見つけ、顔を確認して欲しいと呼ばれる。ジュリエットは犯人の顔をよく覚えていたのに(確かにいい男だ)「あの男ではない」と否定する。
ジュリエットは警察署の前で“犯人”が釈放されるのを待ち、接近する。彼女の魂胆は、“犯人”に銀行強盗をさせることだった。

ごくふつうの妻・母であるジュリエットが「この幸せを守るためには銀号強盗・・・」というぶっ飛び方

映画『Mainenant ou jamais』

ここまでで既に信憑性が薄いけど、ここからがまたスゴイ。
最初は「そんな危険な橋、渡れねえよ。アンタ、ちょっとアタマおかしくない?」と取り合わなかった犯人、マニュエルが少しずつノッてきて(彼の分け前は3分の1)、狙う銀行前のホテルに部屋をとり、見張り始める。ジュリエットが綺麗な女なんで、そっちの期待もあったわけ(でも行動には移さない)。
ジュリエットはGoogleで「銀行強盗の仕方」を探したりしている(このあたりで、観客から笑いが漏れた)。
銀行は17時半に閉り、行員が帰ってしばらくしてからキャッシュディスペンサーに現金を補給する男がやってくる。それを狙おうというわけだ。
マニュエルはニコラ・デュヴォシェル
映画『Mainenant ou jamais』
photos:allociné

この映画、ぜったい日本でかかるはずがないから全部話しちゃうと、マニュエルは現金輸送男(なぜか一人)の後に続いて、いとも簡単に銀行に侵入。男を殴って、現金の入ったボストンバッグを提げて出てくる。
ところが気絶したはずの現金輸送男がむっくり起き上がり、警察に通報。マニュエルが、車で待機するジュリエットにたどり着く前にサイレンが聞こえ、彼は走って逃げ出す。が、ボストンバッグをメトロ駅のわきに放り出すのを忘れない。
パニックになりながら、しっかりボストンバッグを持ってずらかるジュリエット。

そして数年後。ジュリエット家族は、新築の大きな家で幸せに暮している。突然、大金が現れたことを夫がどう思っているかは全く説明なし。
ある朝彼女は新聞で、マニュエルが出所したのを知る(そういうことが新聞に載るかね)。
最後のシーンは、分け前を入れたボストンバッグを持ち、ルンルンと待ち合わせのホテルに向かうジュリエット・・・と、最初から最後まで「ありえない!」、信憑性のかけらもないストーリーで、じゃなぜ観たのかというと、主人公の2人の俳優が好きだから。レイラ・ベクティは綺麗だし(でもこの映画では始終同じ表情をしている)、ニコラ・デュヴォシェルはなかなかワルそうで魅力がある。『Polisse/パリ警察丁、未成年保護部隊』のデカもよかった。
笑っちゃうサスペンスでお薦めはできないけど、個人的に後悔はないわけだ。

『Maintenant ou jamais』
Serge Frydman監督作品
1時間35分(でヨカッタ!)
フランスで公開中

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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


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