古き佳きフランス映画

アナイスが癌で、「あと何週間」の命と言われてから間もなく1ヶ月。何も言わないので確かめられないけど、痛がっている気配はない。ご飯も食べる。「あと何ヶ月」の間違いじゃない?病状は急に悪化するんだろうか?
ふかふかの毛に顔をうずめたり、華奢な手(つまり前足)を握ったりすると悲しくなる。もっと一緒にいられると思っていたのに・・・
夜の“泣かない対策”は映画。
美術学校の予備校に行っている娘が、先生に「映画カルチャーを豊かにしろ」と言われたそうで、一緒に古い映画を観る。

クロード・ソーテの『過ぎ去りし日の・・・』(1970年)
クロード・ソーテ作品の中で一番好きな映画。もう5回は観たかなあ・・・

原題は『les choses de la vie』、人生の出来事? 誰も観たがらないようなタイトルだけど。

『過ぎ去りし日の・・・』クロード・ソーテ

妻と別れ、愛人エレーヌ(ロミー・シュナイダー)と暮しているピエール(ミッシェル・ピコリ)。エレーヌを愛してはいるけど、妻カトリーヌに未練がないわけでもなく、息子も可愛い。イル・ド・レの家で、ヨットをした夏の想い出も忘れがたい。同時にピエールを独り占めしようとするエレーヌに疲れ始めている。

元妻カトリーヌはイタリア女優、レア・マッサリ。いい女2人の間で揺れる贅沢な男、ピコリ。

『過ぎ去りし日の・・・』クロード・ソーテ

エレーヌの両親宅であったソワレの後、車の中で口論になる。
「別れる別れるといって、あなたは過去を捨てられないのよ!」(正確にはこう言わなかったかもしれないけど)と、涙を流すエレーヌ。ピエールは無言でタバコを吸い続ける。
「一緒に帰らないの?」「ノン」
「何も言うことがないの?」「ノン」
エレーヌをアパルトマンまで送ると、ピエールはひとりブルターニュに向かう。
このシーンでのミッシェル・ピコリはすごく憎たらしくて、
「私なら引っぱたいて、車からすぐ降りる」「あたしも!」と、娘と意見が一致した。この母にしてこの娘あり。
冒頭にシーンがあるので、言ってもかまわないと思うけど、この後、ピエールは事故に遭う・・・

ロミー・シュナイダーが滅茶苦茶美しい。有名な彼女の背中、ほんとにセクシーだ。この時32歳。

『過ぎ去りし日の・・・』ロミー・シュナイダー

元妻役のレア・マッサリもいい。表面サバサバしているけど、まだ執着のある目。女優2人が光っている。

この映画は1994年にアメリカで、リチャード・ギアとシャロン・ストーン主演でリメイクされた。タイトルは『わかれ路』。でもこの『過ぎ去りし日の・・・』の、微妙に揺れる男女の気持ちと、フランス映画にしか出せない憂愁は再現できていなかった。


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コメント
はじめまして
いつも楽しみに読ませていただいております。

「過ぎ去りし日の…」は見たくて見たくてたまらない映画なのですが、残念、日本ではDVDも手に入らず、テレビでもロミーの映画自体ごくごくまれにしか放映されません(涙)

ロミーの、ただ美しいだけではない、女と少女の交錯するような表情が大好きです。岸惠子が「生身の女のコクがあった」と評していますが、分かるような気がします。

アナイスちゃん、いっぱい愛されて幸せですね。穏やかな日が続きますように。
アナイスの事、びっくりしました。ブログが最近見れてなかったので。3歳でお腹に腫瘍が出来た私のインコを思い出しました。病気が無くなってしまうことを願ってます。毎日穏やかに過ごせますように。今アナイスの心は長年大事にされて幸せでいっぱいだと思います。
いつも映画の情報も楽しみにしています。
『観たいリスト』作ってDVDが出るのを待っているのですが、フランス語映画だと、英語の字幕がなければ英国人の主人が楽しめないので困りものです。
アナイスちゃん、落ち着いついて良かったです!
きっときっと、ずっと元気で側にいてくれますよ。
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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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