古き佳きフランス映画 2

1984年、52歳という若さで亡くなったフランソワ・トリュフォー。没後30年を記念してパリのシネマテークで回顧展が始まり、テレビARTEで彼の作品が次々放映されている。
生きていれば82歳・・・どんな作品を産み出しただろう?人の運命はわからないもんだ。
『大人は判ってくれない/Quatre cents coups』(ジャン=ピエール・レオの天才的演技)、『突然炎のごとく/Jules et Jim』(ジャンヌ・モローが圧倒的魅力)も好きだけど、繰り返して観たのは『柔らかい肌/La Peau douce』(1964)。

文学評論家ピエール・ラシュネーは、リスボンに講演旅行の際にスチュワーデス、ニコルと出会い一夜を過ごす。ピエールは美しい妻と小さな子供がいるが、2人の関係はアヴァンチュールにとどまらず、彼は若いニコルにのめりこんでいく。

フランソワ・トリュフォー『柔らかい肌』

当然、奥さんにバレ、彼は家を出ることに・・・
フランソワ・トリュフォー『柔らかい肌』2

と、ここまではよくある話。私の周囲にも、若い子にうつつを抜かし妻に追い出され、離婚して一緒に暮すことに決めたら、“若い子”のほうは全然その気がなく、行き場を失った男がいた。その話を友達にすると、「私の友達にも・・・」「そういえばボクの・・・」と盛り上がるくらい。
“よくある話”だけど、ディティールがいい:妻(フランカという名前だからイタリア系)の激しさ、現実とアヴァンチュールを見分けるニコルの利発さ、女の怖さを知らなかったピエールの愚かさ・・・観る度に、前に気付かなかったことが見える。

三面記事からインスピレーションを得たといわれるけど、“自伝的”面もあるとか:トリュフォーは妻とうまく行かなくて、女優リリアンヌ・ダヴィッドと関係を持っていた。しかも撮影には、トリュフォー自身のアパルトマンが使われている。
ニコルを演じるのは、カトリーヌ・ドヌーヴのお姉さん、フランソワーズ・ドルレアック。陶器のような滑らかな肌で、すごく綺麗。まさにLa Peau douce。

この作品がきっかけでトリュフォーとフランソワーズはしばし恋仲になったけど、間もなく友情に変わった。

フランソワ・トリュフォー『柔らかい肌』

この作品の3年後、1967年、フランソワーズ・ドルレアックが自動車事故で亡くなったのはご存知の通り。
『ロシュフォールの恋人達』の英語版試写に立ち会うため、ニース空港に向かう途中だった。25歳!
人の運命はほんとにわからない・・・


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


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