オゾンが撮る美しいロマン・デュリス

『まぼろし』『スイミング・プール』『危険なプロット』そして、高校生の援助交際を描いた『17歳』・・・
性愛の色々な形をテーマにするオゾンの最新作『Ma nouvelle amie』、最後のeが、思わせぶりにイタリックになっている。力づくで訳せば『新しい(女)友達』?日本語タイトルは『彼は秘密の女ともだち』。

フランソワ・オゾン『Ma nouvelle amie』

クレール(アンヌ・ドゥムスティエ、右)とローラ(イシルド・ル・ベスコ)は小学校からの親友、一生変わらない友情を誓い合った仲だ。
フランソワ・オゾン『Ma nouvelle amie』4

ローラはダヴィッド(ロマン・デュリス)と知り合い結婚、ほどなくクレールはジル(ラファエル・ペルソナズ)と結婚する。ローラは妊娠し、無事出産したあと、何かよくわからない病気で亡くなってしまう。

最愛の友人を失くして落ち込むクレール。仕事も手につかず1週間の休暇を取る。何もしたくない気分だけど、「子供と夫をよろしくね」という親友の最後の言葉を思い出し、友人宅に出かけて行く。
ベルを押すけど返事はない。でも赤ちゃんの泣き声がするので、ドアを押すと鍵はかかっていない。クレールは引き寄せられるように家の中に入る。そこで、亡き妻の服を着て、赤ちゃんにミルクをやるダヴィッドを見つける・・・

ダヴィッドはゲイではなく、女性の外見になった時に“自分らしく”いられる人。ローラと暮していたときは妻の女らしさで満たされていたけど、彼女が亡くなって、自分らしくなりたい欲望に気付いた。

フランソワ・オゾン『Ma nouvelle amie』2

古いとこではダスティン・ホフマンの『トッツィー』、もっと遡ればトニー・カーティス、ジャック・レモンの『お熱いのがお好き』、ガッド・エルマレの『Chouchou』、最近ではギヨーム・ガリエンヌの『不機嫌なママにメルシィ』・・・男優が女装すると大抵コミカルになるもんだけど、オゾンの映画ではコミカルさは全くなくて、自分にあった外見を求めて悩む人間が描かれている。
人間の外見と中身のズレ。オゾンお得意の、心がざわめく作品だ。

ロマン・デュリスの“変身”ほど目を引かないけど、注目すべきはクレールの変貌。『バード・ピープル』で絶賛されたアンヌ・ドゥムスティエは、一見控え目だけど、そばかすが可愛く、微妙な演技が上手い。

フランソワ・オゾン『Ma nouvelle amie』1
photos:allociné
オゾン(アンヌ・ドゥムスティエの後ろのオジサン)が映画館の痴漢役で一瞬登場。お見逃しなく!

『Ma nouvelle amie/彼は秘密の女ともだち』
フランソワ・オゾン監督作品
1時間47分


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


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