ロレアル創始者の娘、リリアンヌ・ベタンクール、92歳。殆ど耳が聞こえず、少しずつ認知症に侵され、桁違いのお金持ち(Forbes誌によるとフランス第1位、世界第9位、女性としては筆頭、推定財産300億ドル)。この老婦人は、訪れた人たちに巨額のお金をばら撒く趣味があった。

リリアンヌ・ベタンクール

「ベタンクール事件」の発端は2007年、遺産が少しずつ目減りしているのに気付いた娘が、「母の老衰をいいことにみんなが財際にたかっている」と訴えた。母は“自分にはちゃんと判断力がある”と主張し、母と娘の財産争いに見えた。
娘(↓)がすごくきつそうな顔なので、「残る人生、自分のお金を好きに使わせてあげればいいのに」という声も多かった。

フランソワーズ・ベタンクール

ところが2010年、娘が(不法に)取り付けた隠しマイクで、名だたる政治家までお金をもらいに来ていることが判明、“サルコジ大統領選挙資金の受け渡し”をほのめかす会話も録音されていた。

その後の検査でリリアンヌ・ベタンクールの「判断力に影響する深刻な聴力低下」「ゆっくり進行中の認知症」がわかった。
そしてようやく、Abus de faiblesse (心神衰弱の悪用)でお金をもらった疑いがある10人の裁判がボルドーで始まった。

その中には:
サルコジ大統領時の労働相、当時、UMP(右派、国民運動連合)経理担当のエリック・ヴァース:サルコジの2007年大統領選挙資金として15万ユーロを受け取った疑い。それが事実なら、5年の実刑、37万5000ユーロの罰金。親分のサルコジは証拠不十分で公訴が取り下げられた(がっくり)。

オーディオ・ヴィジュエルグループLOV社長、ステファン・クルビ:リリアンヌ・ベタンクールに1億4370万ユーロを投資させた。
パトリス・ド・メストゥル:ベタンクール婦人のモト財産管理人、代理人。少なくとも2200万ユーロを受け取った。『心神衰弱の悪用』+マネーロータリングの疑い。

そして裁判の目玉はフランソワ=マリー・バニエ、写真家:ベタンクール婦人のお友達で、約4億9400万ユーロをプレゼントされた(させた?)。『心神衰弱の悪用』+マネーロータリングが実証されれば3年の実刑、37万5000ユーロの罰金。

2010年夏、“新聞連載小説”のようにみんなが続きを楽しみにした「ベタンクール事件」、審判はいかに・・・(続く)


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


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