背筋がひやり『スノーテラピー』

スウェーデン人の家族-若い両親と小さい子供2人-がフランスのスキー場にやってくる。モダンなアパートメントホテルに泊り優雅なバカンスの始まり。
1日目、幸せを絵に描いたような一家

映画スノーテラピー/Snow therapy

2日目、一家はレストランのテラスでお昼を食べている。お天気はいいし眺めは素晴らしい。
遠くで爆発音がする。人工的に雪崩を起こしているらしい。はたして山頂近くに雪崩が見える。
レストランのお客たちはのん気にヴィデオに撮ったりしてるが・・・ところが雪崩は止まらず、まっしぐらにレストランに向かってきた。レストランは雪煙に包まれ、お客達はパニック。
母親はとっさに子供たちの上に覆いかぶさり、父親は・・・ひとり逃げ出す。

映画スノーテラピー/Snow therapy2

数分後。幸い雪崩はレストランに達しなかった。お客達はテーブルの下から這い出してくる。
子供たちもお父さんが逃げ出したのを見ていた。でも誰も何も言わない。気まずい雰囲気だけ。

その夜、ホテルで妻は友達に雪崩の話をする。
「すごく怖かったわ」そして「彼はひとりで逃げ出したの」と言えなかったことを吐き出す。
夫は、「そんなことした覚えはない」と反論するけど、妻のわだかまりは消えない。
ホテルという閉所で、子供に聞かせたくないから廊下で、2人の言い合いは続く。

スウェーデン映画『スノーテラピー/Snow Therapy』。予告編ではパニック映画に見えたけど、“パニックの後遺症”を描く、という切り口がオリジナルだ。
“生か死か”の危険を感じた時のとっさの行動。そこには人間の本性が現われるんだろうか?
ひとり逃げ出した夫への不信感。それは修復できるものだろうか?
できるとしたら、どうやって?・・・
がリアルに、時々ユーモラスなやりとりで綴られる。
カップルを通して、こういう状況のアッパーミドル階級の反応、脆さも描かれる。
誰にも起こりそうな状況だからヒヤリとする。雪みたいに。

監督のRuben Ostlund(Oの上にトレマがある。何て発音するんだろう?)、前作『Play』は観ていないけど、心がざわつくような作品が得意とか。なるほどざわついた。

そう、フランス、ピレネーでは今冬雪崩が多く、もう7人以上犠牲者が出ている。
パラドクサルだけど、この映画を見てスキーに行きたくなった。4年前にスキーで骨折してからやっていない。森閑とした白い世界にリフトの規則的な金属音だけ・・・懐かしい。

『Snow Therapy
Ruben Ostlund監督作品
1時間58分 フランスで公開中


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コメント
いつも興味深く拝読しております。
Öの発音は、英語のOに少しEが混じった感じです。
Re: シカ様
ありがとうございます!
Ostlundは、オェストランドみたいな読みでいいんでしょうか?
オェストルンド、みたいな感じでしょう。語尾のdは弱いと思います‥‥たぶん。
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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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