猫語が話せたら・・・

もう病気と闘うのに疲れ果てたように見え、でも時にはまだイケそうに見えるアナイス。
2回に1回は「もうおしまい?ホント?」でも時には「よく食べたね、エライエライ」。

獣医さんに言わせると「“まだ食べる”“まだ移動する”の2つがバロメーター」だそうで、アナイスはまだこの2つをクリアする、と言ってもねぇ・・・一日の大半寝ているし、息子の肩に乗るのも、シーツを代えるとき邪魔して喜ぶのもずっと前にやめてしまった。
タンスの上も好きだったけど、今は上れない。

アナイス

息子は(もともと“彼の猫”なんだけど、全然世話をしないんで私になついた)「もう潮時」といい、私は「“その時”を決めるのは難しい」

結局、土曜日に獣医さんのとこへ“片道旅行”。
若い女性の獣医さんは、電話にはいつも応じてくれるし「これなら食べるかも」とキャッツフードをくれたり、とても優しい。人間の病人と同じように扱ってくれる。
アナイスは診察する獣医さんに歯をむき出して唸る元気が残っている。
「腫瘍は出血していないし、呼吸もほぼ前と変わらないけど、これからは衰弱する一方、今に口を開けて呼吸するようになる」
そこまでは絶対待ちたくないし、それがいつ来るかは獣医さんにもわからない。
眠っている間に自然に死んでくれれば本望だけど、
「この状態では、それは望めません。段々呼吸がしづらくなって苦しい思いをするだけ」と獣医さん。
「でも今日(安楽死の)注射をするかしないかはあなたが決めてください」
おっしゃる通りですけど、それが困る。どうしていいかわからない。
一緒に来た夫を見ると「アナイスはボクのこと好きじゃないし、君の猫だから・・・」
ますます迷う。涙が出てきた。
アナイス、どうしよう?どうしたい? ああ、猫語が話せたら・・・
アナイスは、さっさと籠の中に入って、ぐずぐずしないで早く帰ろうという顔をしている。

「あなたの気持ちの準備ができてるか、ってことですね」
準備なんて、永久にできそうもない。アナイスは家族、私の“3人目”の子供みたいなもんだ。
マスカラが流れ落ちた私の顔を見て、
「まだ十分にさよならがいえてないように思います。今度にしましょうか」と獣医さん。
その言葉で気持ちが決まった。

結局“往復の旅”。一緒にうちに帰ってきた。
アナイスは籠から出ると、そそくさと自分の場所で丸くなる。
数日の“執行猶予”。できるだけ一緒にいよう。


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コメント
いつも楽しく拝見しています。
父を看取ったときのことを思い出しました。
人も猫も同じですね。
アナイスちゃんが苦しむことなく、穏やかに旅立てますように。
アナイスちゃん、まだ大丈夫ですよ。少しでも食べて、
家の中を歩けるなら、もう少し頑張れます。

うちの猫は、本当に前日まで少しづつ食べて、ゆっくりゆっくり歩いて、本人なりに一生懸命生きていました。
不思議に、その時が来ると「あ~もう死んでしまうんだ・・・」と分かるんです。
苦しくて息ができなかったり、吐いてばかりになったら
、多分もう旅立つ時だと思います・・・
その時まで、思いっきり可愛がって、思い出をつくれますように。
猫語を話せたら---と言う事でしたので、メールさせて頂きました。御存じかもしれませんが、人猫語翻訳機と言うのがあるそうです。
ネットにアクセスすると、すぐに、確認で済ます。これが、本当に役に立つものかどうかは、私には判りませんが、たかこ産の参考になれば、幸いです。
アナイスちゃんとの思い出が沢山できる事を祈っています。
Re: tamaming 様
ありがとうございます。
息子には「もう少し距離を持て」と言われますが、ほんとに人間と別れるような気持ちです。
Re: パンダママ様
私も、自然に”その時”が来て発ってくれたら、と思いますが、獣医さんに言わせると”その時”はかなり苦しむそうで、それはかわいそうだと・・・
いつも励ましていただいて、ありがとうございます。
久しく読み逃げでしたが・・・
アナイスちゃんのことはとても気になっていました。
先年ロッタで経験してるだけにお気持ちが少し分かります。
辛いですね。
ほんとに「ここが痛い」「こうして欲しい」と喋ってくれたらと思います。
アナイスちゃんが少しでも苦しまないよう、
少しでも長く生きてくれるよう願っております。
Re: カノママ様
ありがとうございます。
ロッタちゃんも病気だったんですか?
動物は人間より寿命が短いとわかっていても、別れるのは悲しいですね。
Re: Kojiro様
お返事遅くなってすみません。
そんなものがあったんですか!猫好き人間の多い日本の発明でしょうか。
アプリをインストール時間がありませんでしたが、ありがとうございます。
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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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